南麻布「BAR ENGINE」 名車を愛でながら美酒を味わう

南麻布の大通りから少し入ったところにそのBARは佇む。大きな看板を掲げず、裏路地にひっそり佇む“ENGINE”。その名は、人々の原動力になりたい、また人が出会い、語り合い、何かを発見できる場所でありたいという想いからつけられた。

(左)ボランジェ (右)フォアグラとドライのフルーツのカナッペ

かつて建設業に携わっていたオーナーの細井哲郎さんが、業界仲間と作り上げたビルの中に生み出した、こだわりに満ちた空間だ。実はこの場所、昼間は外車販売、メンテナンス業を行うスペース。20時以降、ポルシェ、ベントレー、フェラーリなど錚々たる名車を間近に眺めつつ、美味しいお酒を味わえるBARとなる。

「車好きの方でも、ディーラーには気軽に入りづらいですよね。ここなら、ビール1杯で車を好きなだけ眺めていられる。こういう店があったらいいなと思って、N.Y.、パリ、ロンドンと飲み歩きましたが、納得できる店がなかった。それなら自分で作ってしまおうということになりました」。置かれた車は店内で最も印象的なインテリアだ。これらの車が数日ごとにランダムに入れ替わる。いつもの空間なのに、訪れるたび常に新鮮な驚きを感じさせてくれるというわけだ。

(写真左)ボランジェ:英国王室御用達にして、007が愛するシャンパンとしてその名を知られる。メーカーが推奨するグラスを使用し、香りと味を存分に楽しめる心配りも。グラス¥1,800~
(写真右)フォアグラとドライのフルーツのカナッペ:まろやかでくさ味のないフォアグラと、フルーツの甘みが口の中でゆったりと溶け合う幸せを実感。フルーツはセミドライなので絶妙な食感も楽しめる。¥1,200

当初、男性客を想定して作られた店だが、居心地の良さに妥協を許さない女性たちが一人でやってくることが多いという。それも無理はない。「クルマや女性が美しく見える」とは店舗設計時のサブコンセプトなのだ。まず床には、レフ板のような効果を発揮するスペイン産の白色タイルを使用。それが全てのお酒の原材料でもある土から作られたタイルであるということも、秘められたこだわりだ。カウンターの木材は貴重なブラジリアンウォールナットで、肌触り質感ともに申し分なし。クリアで抜けの良い音を演出するこだわりの音響はカーオーディオのプロが手掛け、決して会話を妨げることがない。高い天井やマイナスイオンの放出を意識した空調、殺菌・消臭効果のある光触媒を含んだ特注カラーのコンクリート壁……。全てが快適な空気感の実現に貢献しているのだから。

おにぎり

本物を追求する姿勢は、もちろんドリンクやフードにも生かされた。自慢はボランジェ社のシャンパン。本国のメゾンとも強い絆を誇る。香りと味を最大限に楽しめる様々な工夫で、最高の味を堪能できるのだ。シャトーマルゴー高級ビンテージワイン、毎日分解掃除を欠かさないサーバーから直接注がれるビールなど「全て自分で飲んで、美味しかったものしか扱わない」という徹底ぶり。本当に好きな人に楽しんでもらうために、コストパフォーマンスを追及しているのも嬉しい。素材重視のフードが、仕入れの状況次第で内容が変わるのも楽しみの一つだ。夏季はプールのある屋上を4人程度で貸切ることが可能。シャンパン1本つきで4万円から。予約すれば昼間の利用もOKだ。

(写真右)おにぎり:オーナーの別荘に隣接する農家から特別に分けてもらうという、市場には流通しないお米を使用。ちょっと大きめで1つ¥500~。このお米で卵かけご飯も。

「ブランドではなく、クオリティの良さを基準に納得のいくものだけを集めた」。そう語る細井氏のこだわりが生きるBAR、エンジン。一歩足を踏み入れれば、リピーターが多いということにも、きっと頷けるはずだ。

(text/june makiguchi、photo/shu remy kawakami)

BAR ENGINE

東京都港区南麻布2-10-17
Tel:03-6427-0911
営業時間:20:00~26:00
定休日:不定休
アクセス:東京メトロ白金高輪駅より徒歩5分

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