今年3月にオープンした「赤坂サカス」エリアを中心に、神社、料亭跡、旧小学校など、赤坂界隈に現代アートに点在させ、まさしく“街をアートする”新しい試みの展覧会『赤坂アートフラワー 08』が始まった。
アートディレクターにキュレーターの窪田研二氏を迎えた本展では、個々の会場が持つ魅力や特質に応じて、現代アートの最前線で活躍するアーティスト、約18組を選出。さまざまな作品が街中に展示されるほか、複数の関連企画(パフォーマンス、ワークショップ等)が催される。

特有のドット柄で魅せる前衛芸術家、草間彌生の作品が“Dots obsession(ドッツ・オブセッション)”としてダイナミックに登場。赤坂サカスのギャラリー内には、黄色地に黒い水玉が広がる「昼の世界」、黒地に黄色い水玉が広がる「夜の世界」が展開される。観る者は、ドット柄が360度包み込む空間の中、全身で草間ワールドを体感。心を無にして、彼女の宇宙に酔いしれるひと時を楽しんで。
(写真右)草間彌生《Dots Obsession-Night》 2008
「ジャパン!カルチャー+ハイパーカルチャー 」
ケネディセンター(ワシントンDC)
写真提供:草間彌生スタジオ
旧赤坂小学校の体育館には、直径8mものふとんの山が出現する。こどもたちは、ふとんの山を登ったり滑ったりして自由に過ごし、そして好きな人の顔を描いて山頂のポストに投函する。すると、絵は会場に展示された後、やがては小沢剛と一緒に次の街へ旅に出るとのこと。参加者との対話を通して作品が変化する「相談芸術」、世界各地の食材で作った武器を持つ女性の写真「ベジタブル・ウェポン」シリーズなど、日常をベースに、社会性あるメッセージをユーモラスな手法で表現する小沢。今回は小学校の夢や思い出がいっぱいに詰め込まれた、こどものための空間を創りあげた。
(写真左)小沢剛《あなたが誰かを好きなように、誰もが誰かを好き》2006
展示風景:「第5回アジア・パシフィック・トリエンナーレ」
クイーンズランド・アート・ギャラリー、ブリスベン
赤坂氷川神社の境内で見事に枝葉を繁らせている、樹齢400年のいちょうの木。第二次大戦時に被弾して幹に大きな穴を抱えながら、今もなお力強く根付くこの木のまわりに、オノ・ヨーコは1996年より世界中で進行させている平和祈願のプロジェクト「Wish Tree/念願の木」の木々を置く。観客が願いごとを白い短冊に書いて枝に結ぶと、そのメッセージがオノの元に届けられ、彼女が制作する平和のモニュメントに収められる。こちらもインタラクティヴに観客が参加できる作品。
絵を描くことができるものや場所を、生活に身近なものから海外まで幅広く追求し、巨大な絵を創作する淺井裕介。今回は近隣の土を使用して描いた彼の絵が、小学校のエントランスに施された。迫力ある世界観を放ち、観客を歓迎してくれるその様は見ごたえ十分。
そのほか、元料亭の「島崎」には6組のアーティストが入り、和室という小さな展示室にそれぞれの個性溢れる展示空間が出現。旧赤坂図書館には、原高史が地元赤坂住民の家に赴いてはインタビューして集めた言葉と、そこから原がイメージした絵によって構成された窓パネルが取り付けられた。記憶と歴史に満ちた窓に陽が射すその瞬間を、ぜひとも大切に感じ取ってほしい。あなたの心に触れてくるものがあるはずだ。本作は会期終了後も継続設置される。
(写真左:上)淺井裕介《泥絵・誰のためのお客さん、さて君は?》2008
Jogja National Museum, Yogyakarta.
撮影:細川葉子
(写真左:下)雨宮庸介《Translator's high》2006
サイズ可変
映像、ミクストメディア
Installation at Yuka Sasahara Gallery
また、『赤坂アートフラワー 08』では気軽に楽しめる関連イベントを多数用意した。なかには、赤坂の街を散策するというツアーも。ダンサーと観客が一緒に参加するステージもあり、またとない思い出をさらに深めてくれるだろう。
「赤坂サカス」が誕生したことで、ますますお出かけスポットとして注目されるようになった赤坂の地。ぜひこの機会に、秋色へと変わりゆく自然を楽しみながら、赤坂の街を散歩してみてはいかがだろう。
関連キーワード
「赤坂アートフラワー 08」
会期:2008年9月10日(水)〜 10 月13 日(月・祝)※会期中無休
開催場所:赤坂サカスを中心とした赤坂一帯
開催時間:11:00〜19:00
入場料パスポートチケット:一般・学生¥1000、高校生¥500、中学生以下無料
主催:TBS
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