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No man’s land,ノーマンズランド,フランス大使館

No man’s land,ノーマンズランド,フランス大使館

日本とフランス、地理的に離れた2国の架け橋として東京・広尾に拠点を置くフランス大使館。その新庁舎への移転に際し、旧庁舎で、フランス人と日本人をはじめとした70名近くのアーティストが一堂に会する展覧会「No man’s land(ノーマンズランド)」が開催されている。

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展覧会終了後にはマンションが建設されるというこの場所。もとは徳川家の残した古い洋館があったという。そこに1957年、若き建築家、ジョゼフ・ベルモンによって設計されたフランス大使館旧庁舎は、当時東京における現代建築の見本であった。この歴史的な建物を見物する最初で最後の機会でもある今回は、ヴィジュアルアート、ファッション、デザイン、建築、パフォーマンスなど、あらゆるジャンルのクリエーションが、事務室、廊下、資料室、階段、地下室、中庭といった旧庁舎の屋内外の空間を埋め尽くす。

(左写真)Speedy Graphito, 2009 ©Antoine Perrin, 2009

なかでも注目したいのは、やはり日本とフランスの文化が融合した作品。まず、旧本館の中庭へと階段を上がると、突如縛られた桜の木が登場する。フランス人写真家、リュスィーユ・レイボズが、ボンデージ・アーティストの藤原仁美に依頼して実現した作品は、この先への期待値を高める。

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合気道を学び、「僕にとって制作は武道と同じ」と語るクリストフ・ヴァレリーが、体と心の生命エネルギーが宿る「気」をテーマに、抽象的な要素を原料にしてつくる「気ジュース」も興味深い。また、シンボルとエピソードが一体となる不思議な世界を描くジュール・ジョリアンは、日本人の髪型と骨格で目がなく匿名性の高い顔に日の丸を重ねた複数の顔で、新しい文化との遭遇によって変容するアイデンティティを表現。
異なる文化が存在し、交わる。そのとき個々の価値観はそのまま貫かれたり、変容したりする。作品ごとにそんな感覚をありありと再認識する一方で、文化を超越した人間としてのあり方をもかえって意識させられる。

この展覧会の魅力としては、バリエーションに富んだ気鋭の作家たちが集結したこともさることながら、フランス大使館からこの場を明け渡された彼らがその場で製作をするため、何度か訪れることで芸術が生まれる過程を目の当たりにできることも大きい。国際的知名度のあるアーティストも、頭角を現し始めた若いアーティストも、従来とは異なるアート体験を提供してくれる。
「空間」と「時間」、「日本」と「フランス」のクロスポイント。そこに集まるべくして集まったアーティストたちとともにその閃きを体験してみては。

(右写真)Shintaro Miyake, 2009 ©Antoine Perrin, 2009

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No man's land(ノーマンズランド)

開催期間:2009年11月26日(木)〜2010年1月31日(日)
場所:在日フランス大使館 東京都港区南麻布4丁目11-44 広尾駅より徒歩5分
開催時間:木・日…10:00〜18:00、金・土…10:00〜22:00 ※入場は閉館30分前まで
休館日:月曜日〜水曜日、2009年12月31日(木)〜2010年1月3日(日)
入場料:無料

会場には、伊勢谷友介のリバース・プロジェクトが手掛けるカフェがあるほか、音楽、パフォーマンス、子供向けワークショップなども随時行われている。


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