Q 先端のテクノロジーを応用した服など、未来のイメージを感じさせる作品が多いのですが、未来的なイメージを表現したいという思いは強くありますか?
A フューチャーというよりは、タイムレスな世界を描きたいと思っている。というのも、未来に興味があると同じくらい過去にも興味があるから。未来のようでもあるし過去のようでもあるし、現在のようでもある、いずれにもなりうるような世界を描きたい。

Q 90年代後半から2000年代前半にかけて、アートとファッションの出会い、Art meets Fashionという話題がよく雑誌に取り上げられました。あなたの活動も、そうした文脈では欠かさず語られてきましたが、あなた自身は自分がアーティストだと考えていますか?
A 僕はむしろ「アイデアズ・パーソン」だと思っているよ。ファッション・デザイナーというのも、しょせん肩書きの一つ。他の人が僕につける、レーベルでしかないんだ。アート作品を作っているファッション・デザイナーといっても、まちがってはいないと思うけど。
僕は、ファッションをほかの世界とつなげる試みをしてきた。批評的なものの見方をする。洋服、映画、彫刻を作ってきた。作品を美術館で見せることは何度も何度もやってきているし、イスタンブールには作品を売っている画廊も一つある。でもずっとやってきていることは、コレクションを作り、服を売るということ。他に僕と同じようなスタンスの人をあげることは、できないと思う。
Q 展覧会にはたくさんの映像作品が展示されています。ファッション界であなたの仕事をよく知る人も、映像作品を見るのは初めてという人も多いと思います。ファッションと密接な関係にある映像作品もあれば、直接的にはあまりファッションと関係のないかのように見える映像もあります。映像作品をつくることと服作り、その二つはどう違うのでしょうか?
A アーティストとしての僕とファッション・デザイナーとしての僕は密接に関わっている。たとえば、映像作品のなかにいた女性が、パリのファッションショーに出たりすることもあるし。映像も服も、どちらも同じアイデアに立っているんだけれど、ショーはライブなもので全部をコントロールできるわけではなくて、限界がある。映像の場合は振付、照明、セットなど全部の要素を一度にコントロールできる。そこが違うところ。
Q 今もっともエネルギーを注いでいることは何ですか?
A 安定したビジネスを行うこと。ここ東京では取材を受けて答えているけれど、ロンドンにもどったら毎日、弁護士やフィナンシャル・アドバイザーに囲まれてビジネスの話をしているんだ。もう間もなくしたら、次のコレクションの準備に入るよ。
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スノビズムとファッションは親和性が高い。知的な好奇心を服作りに落とし込み、アートの世界で高い評価をうけながら、ファッションの檜舞台であるパリコレ発表を続ける、というのは、誰にとっても至難の業のはず。なぜフセインはそれが可能なのか、その理由を、展覧会を見て理解することができた。あまりにスノッブな美意識がちらついて、最後まで見ていられない映像作品も、私には多かった。もっと日常的でラフな感覚がほしいのに、と思いながらも、日常着に挑んで生き残れたデザイナーがほとんどいないように、どこかクラシックでハイソサエティなスノビズムの匂いがないと、存在を維持できないのがファッション界なのだろう。
(text / nakako hayashi, interview photo / toru hiraiwa)
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フセイン・チャラヤン-ファッションにはじまり、そしてファッションへ戻る旅
会期:2010年4月3日(土)〜6月20日(日)
休館日:月曜日(ただし5月3日は開館、5月6日は休館)
開館時間:10:00〜18:00(入場は閉館の30分前まで)
会場:東京都現代美術館 企画展示室 B2F
観覧料:一般 ¥1,200
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