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取材のやり方は王道だし地道である。だが取材対象者から引き出される言葉と、それを受け止める高橋さんの話が微妙にずれていく。
真剣に「いいこと」をやっているはずなのに、どこかおかしいというところを、高橋さんは取材しながら鋭く探り出していくのだ。そのずれこそが、たぶん「ほんとに?」という疑問に対する答えなのだと思う。
高橋さんはまちがっても「そこ、ちがうだろ!」などとツッコミを入れたりしない。取材している人たちに「それはまた、困っちゃいましたね」と頷きながら、心の中で「あれれ」とか「とほほ」とか言っている。いわばボケの姿勢だ。
ボケとは言っても、言っていることは明瞭簡潔で、とってもわかりやすい。だから読者は笑いながらも、これまで「なんか気色悪いな」と思っていたところを、ぽりぽりとかいてもらった爽快感がある。ま、そんな私の感想はさておき、この本で笑って日頃のトラウマ(?)なんか吹き飛ばしてください。
(text / motoko jitukawa )
トラウマの国
高橋秀実/著 新潮社 1,470円(税込)
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