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ところが書店人を主人公に、駅前にあるビルに入っているごくふつうの書店を舞台にした5篇は、書店がスリリングな世界であることに気づかせてくれた。表題になっている『配達あかずきん』は、書店でアルバイトをしているちょっとぼんやりした女の子が、お得意さまが定期購読している雑誌を届ける途中で出会った事故に端を発した美容院の業務妨害事件。書店のだいじな仕事のひとつに配達があること。お得意さまには表紙に汚れなどもちろんなく、ページも整った美装の雑誌をわざわざ書店の人が運んで届けること。犯罪の謎解きを楽しみながら、書店のそういうていねいな仕事について、読者はあらためて気づかされるはず。
若者だけでなく、どの世代においても本離れが進んでいるといわれてひさしい。でも本を愛している人、そして読書に楽しみを見出している人はまだまだ大勢いる。そしてそういう人たちの精神的な悦びを支えているのが、書店人なのだ。
一気に読み終わって思った。 やっぱりブックカフェをやってみたいな、とね。 (text / motoko jitukawa )
『配達あかずきん』
大崎 梢 著
東京創元社 \1,575 (税込)
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