その昔、どちらかと言えば苦手としていた男性に「実川さんとぼくは、ものすごく相性がいいんですよ。血液型でも、西洋星占いでも、中国の占いでも、インドの占いでもぴったりです」とうれしそうに言われて、思わず悲鳴をあげそうになるのを必死に耐えたことがある。おいおい、私の血液型や生年月日をいったいどこで調べた? それにどれほど相性がよくても、パートナーになることはありえないから!誤解のないように言っておくと、その男性は別に私のことが好きだったわけではなく、半径50メートル以内に近づいた人間を誰彼かまわず占っては、相性判断をするというなかなかにウザイ人だったのだ。なんでも得意先のおえらいさんにも「相性云々」とやらかして、こっぴどく上司に叱られたこともあるとか。
というようなおぞましい記憶があるために、私は自分の性格や人との相性を、血液型や星座というワケのわからないもので判断したりすることに嫌悪感がある。というよりも、興味がない。いまだに家族の星座もわからないくらいだから。しかし『恋するアーユルヴェーダ』の「あなたのドーシャは何? クイズ」は真剣にやって、どうも私は「ピッタ-カパ」というダブルドーシャらしいと納得してしまった。そのあとのカップルの相性については、納得がいかない箇所も多かったが、自分のカラダと心のバランスをとるための生活習慣の改善アドバイスについては、取り入れてみてもいいかな、と思うところもあり。
話を先走りすぎた。アーユルヴェーダとは、古代インドの哲学者や科学者が、医術に体系化した人生の科学とでもいうべき法則のことを指す。そしてアーユルヴェーダでは、人を「ヴァータ」「ピッタ」「カパ」の三種類のドーシャという心とカラダのタイプに分けて、それぞれの体質や性格や生き方を分析する。そして人と人とのかかわりをドーシャの組み合わせで考えて、よりよい人間関係を築ける知恵を授ける。3タイプにさくっと分類してしまうなんて、ごくシンプル。それでいて、ドーシャの組み合わせを人間関係に結びつけるところがなんだか奥深くもある。少なくとも体質と性格は、血液型と性格よりは深く結びついていると思えるので、納得がいく部分が大きいのだろう。

ただこれを読んだからといって、明日から私とパートナーの相性がよくなるってもんでもないし、今後よくしていくための方法が見つかるわけでもない。そもそも相性がいい/悪いで人とのつきあい方を決める、なんていう安易な考え方を、アーユルヴェーダは許してない。ただ自分のドーシャを知ることで自分自身を知り、人と接するときの心構えとせよ、という主体的な行動を求める「人生の知恵」なのだ。
アーユルヴェーダで少しは体質改善し、精神を安定させて、パートナーとのいがみあいを減らし、明るく平和に2007年を迎えたいです。
(text / motoko jitukawa)
『恋するアーユルヴェーダ』
リサ・マリー コフィー著、矢野真千子訳 春秋社 ¥1,680(税込)
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