2006年1月から12月まで共同通信社から全国の新聞に配信された『夢見たものは今――団塊世代のアイコン』という企画で取り上げられた44本のコラムを集めたものである。団塊の世代とは、1940年代後半に生まれ、突出して人口の多い世代のことで、そう、みなさんのお父さんやお母さんたちの世代である。彼ら彼女らは戦後の日本がめざましい経済発展を遂げるなかで成人し、旧い価値観にNOを唱え、それまでになかったライフスタイルを築いてきた……とされている。
その世代が2007年から60歳に達して定年を迎える。相変わらず人口は多く、彼らがどんな「第二の人生」を送るかは、日本の経済・社会に大きな影響を与えるといわれている。この突出した(人口の上でとくに)世代が築いてきた社会とはなんだったのか? 彼ら彼女らは日本の戦後をどう変えてきたのか? その人たちが社会の第一線から引いたあとに、それではどんな社会になるのか?
このコラムには「革命」「ジーンズ」「フリーセックス」「ウーマンリブ」「ビートルズ」「予備校」など、団塊の世代を語るときに外せないキーワードから展開されている。おもしろいのは「昔はこうだった」という話ではなく、「今はどうなったか?」そして「これからどうなるのか?」という検証が中心になっていることだ。
たとえば「アイドル」という項目では、『日本初の”ボランティアアイドル“、略して「ボラドル」の鈴木りな』の話を中心に展開し、そのなかで山口百恵、桜田淳子、森昌子の70年代はじめの元祖アイドルに始まり、松田聖子からおニャン子クラブ、ジャニーズへとつらなるアイドルの「歴史」を語る。

私は少し上になる団塊の世代をつねにうっとうしく思ってきた。声も態度も大きく、数を頼んで押し通そうとするその勢いに反発してきた。しかし彼らが走った跡は、まぎれもなく戦後日本の軌跡にほかならない。たとえ草も生えないくらい踏み荒らされていようと、そこからこれからの日本は走りつづけていかねばならないのだろう。だからverita世代が、これから未来に向かって歩くか走るかする道がどのようなものなのか、それを知る意味でもこの本を開いてほしいと思っている。
(text / motoko jitukawa)
『日本人はどう走ってきたのか 団塊世代の「夢」の検証』
共同通信社執筆・編集 講談社
\1,470(税込)
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