勝利と栄光のシンボル、月桂樹。このモチーフがトレードマークのマークのブランドといえば、フレッドペリーだ。
このブランドは1952年のロンドンで、そのモチーフが示すとおり、ひとりの王者から生まれた。創設者のフレデリック・ジョン・ペリーは、1934年に英国人で初めてテニスのウィンブルドン大会でシングルス優勝。その後、2年連続で優勝し続け、前人未到の3連覇を果たしたばかりか、全米、全豪、全仏とテニスプレーヤーの夢であるグランドスラム(世界4大大会)を制したイギリスの国民的英雄。洒落たスタイルでベストドレッサーとしても知られていた人物だ。
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ブランドの始まりはリストバンド。引退後の1940年代、当時のリストバンドはあまり優れているとはいえなかったため、吸水性、肌触りにこだわったものを開発し、自らの愛称“フレッドペリー”の名を入れて発表。これが事業の始まりとなった。その後、フレッドペリーの定番であるポロシャツの製造を開始。だぶだぶのシャツが溢れていた時代に、体にフィットするスタイリッシュなポロシャツはプレイヤーの間でたちまち人気となった。ポロシャツ誕生と時期を同じくして、ウィンブルドンから正式に“月桂樹”を使うことを特別に許可されたが、これも彼自身が真の王者であったからこそだろう。
(写真左)フレデリック・ジョン・ペリー
ウィンブルドン大会のTV放送などでフレッドペリーが広く知られるようになると、その評判はスポーツ界から世界へと広がっていく。そしてついに、エリザベス女王も知るところとなった。ウィンブルドンの開会式に来賓として招かれていた女王が、ペリーに「フレッドペリーのシャツは、ほかのシャツよりどの点で優れているのですか?」と質問。ペリーは自信を持ってこう答えたという。「女王様、このシャツはフィットするのです」。
スポーツブランドとしての地位を確立していったフレッドペリー。事業が展開するにつれ、シャツにカラーバリエーションが誕生し、襟にはラインの入ったものも登場。その高いデザイン性に目をつけたのが、1960年代当時の英国でファッションカルチャーを牽引し、のちに世界中の若者に影響を与えることとなるモダニスト=“モッズ”たち。清潔で穏やかさのあるモダン・ジャズを好み、細身の三つボタンジャケットにブーツをトレードマークに、朝までクラブで遊び明かしていた彼ら。夜通し着続けたときでも、汗を吸い、くたびれたりシワになったりしないシャツを求めていた彼らにとって、フレッドペリーは救世主だった。そして、ジャケットのインナーとしてトップボタンまで締めたフレッドペリーのポロシャツは、“モッズ”の定番スタイルに。ロンドンのファッションの中心地、カーナビーストリートから発信されたこのスタイルは世界に、そしてビートルズをはじめ多くのミュージシャンたちに波及していった。
WOMEN’S MAINLINE AW08より(写真左)ニットワンピース\16,800、パンプス\11,340(写真右)ニットワンピース\17,850、ネックレス\5,250
これが発端となり、スポーツウエアからストリートへ移行。フレッドペリーは、スポーツアイテムでありファッションアイテムでもあるという初のクロスオーバーブランドとなった。ストリートカルチャーの一端でもあったこのブランドにリスペクトを示すアーティストは数多い。
ポール・ウェラー、テリー・ホールらは、このブランドを長きに渡り愛用。今シーズンは、この二人とのコラボレーション・アイテムも登場した。フレッドペリーもまた、音楽業界に敬意を表することを忘れていない。本国UKでは、ブリティッシュミュージックを沸かせるアーティストをバックアップするイベントを定期的に開催、また日本国内でも音楽イベント「PLAYGROUND」を開催している。
最近は、レディースの展開も華やかだ。趣は、スタイルとセンス、アクティブさとエレガンスを備えた大人の遊び着。特に2008年の秋冬は、60年代の個性とブリティッシュ・プレッピーをテーマに、ベーシックなポロシャツをはじめ、チェックやアーガイルなどのUKモチーフを使用したニットアイテムが充実。注目のワンピースは、パフスリーブやAラインシルエットなど、フェミニンでファッション性の高いディテールが特徴。ケイト・モスやシエナ・ミラーらに代表されるブリティッシュ・ガールがイメージソースだ。
(写真左)ジェシカ・オグデンとのコラボレーションアイテム。2008年には、アン・ソフィーバックとのコラボも予定。チェックドレス\33,600
メンズ&レディースのメインライン、ちょっと大人っぽいローレルライン、さらには多彩なコラボ商品など幅広く展開しているが、すべてに共通するのは、英国のトラッド、上品なクリーンさ。流行ばかりを追うのではなく、UK流のトラッド感がどこかに感じられながらも、かっちりしすぎず街歩きに最適だ。まさに、テニスコートだけでなく、ストリートで愛されてきたブランドならでは。この自由なスピリットを胸に、あなたも街を闊歩してみては?
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FRED PERRY/フレッドペリー
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