自分のライフスタイルに合った服を、自分が本当に着たい服だけを、自らの手でデザインして現実のものにする。これは、すべての女性が一度は憧れることではないだろうか。たいていの人は、それを夢で終わらせるが、ヤスミン・ラケルはそうではなかった。
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シドニーに生まれ、大学ではマーケティングを専攻。卒業後はコスメをはじめとする消費財分野のブランドマネージャーを務めるまでにキャリアを積んだ。そんな生活の中で、以前から好きだった服作りに挑戦。趣味が高じて自ら手縫いで仕上げたトップを、マーケットで販売し、好評を得るまでになった。それでも、フルタイムの仕事を持つ女性として、なかなか二足のわらじを履くまでには至らなかった。だが2年前、夫の転勤に伴い東京へ移り住んだことで、心に変化が現われる。東京という都市のクリエイティビティの高さ、情報発信力の高さに触発され、本格的に服作りを行い、デザイナーになるという夢を実現する決心をしたのだ。こうして生まれたのが、こうして生まれたのが、ヤスミン・ラケルのイニシャルを冠したブランド「YR(ワイ・アール)」。彼女がプロジェクトをスタートしたのは、わずか18カ月前のこと。マーケティング・プランナーとしての知識と経験を生かし、ブランディングも丁寧に行いながら、着実に「YR」を立ち上げていったヤスミン。そして、彼女の初コレクションである2010春夏が、今回verita誌上で世界初のお披露目となる。
(右写真)デザイナーのヤスミン・ラケル
「コンセプトはシンプル&シック。私が育ったオーストラリア、シドニーのビーチスタイルを、ぜひ東京に紹介したかったんです。日本の女性たちと話していると、皆オーストラリアに好意を持ってくれている。のびのびとしていて、カジュアルだけれどシック、そしてリラクシングなライフスタイルが特に好まれていますね。でも、なぜか日本にはオーストラリアブランドが少ない。そんなこともあってブランド立ち上げを決意しました。自分の着たいものをデザインしているけれど、あくまでもシンプルだから、着る人によって変化がつけられます。アクセサリーをつけたり、結んだりして、重ね着をしたりして、色の組み合わせなど自由に楽しんで欲しい。カジュアルに、でもちょっとだけおしゃれをしたいときにも楽しめる服もあります。まさにシドニースタイル。東京発のシドニーブランドです」
2010年の夏向けに作られた初コレクションでは、夏にぴったりの17アイテムを発表。風をはらんでしなやかに揺れるレイヤーやドレープが美しいキャミソールやワンピースなど、軽やかなビーチライフを思い起こさせるものばかり。いずれも、エアリーなデザインと柔らかな質感、ソフトな色味があいまって、フェミニンな優しさに満ちている。
「私はシドニーのビーチで育ち、自然の恵みを存分に受けて育ちました。だから、太陽や海、シェルなどの色を洋服にも取り入れています。自分の心の声に耳を傾け、肌で感じて、素晴らしいと素直に感じられるものだけを集めました。フェミニンな気持ちになれるように。YRの服には私が好きなものだけを集めてできたブランドです」
そう話すヤスミンがこだわったのは、デザインだけでない。自然が大好きで、自然から生まれるものの力を信じてやまない彼女。直接身体に取り込む食材と同様に、直接肌に触れる服の素材にも、“クリーン”なものを求めるのだという。
「使っているのは、シルク100%のシフォンとバンブージャージー。いろいろ素材があるけれど、環境に優しいこの素材を選びました。バンブージャージーは、80%バンブーファイバー、20%ミルクファイバーを使った珍しい素材。環境に優しいだけでなく、手触りが柔らかく、ドレープも美しく表現できるんです」
(左写真)BAMBI:環境にも優しいバンブージャージーをたっぷりと2枚重ね合わせ、丈を段違いに仕上げたマルチレイヤードレス。まるでギリシャ神話の女神を思わせるドレープが美しいこのマキシ丈ドレスは、素朴なレザーサンダルと合わせても、ベルトでウエストマークしてレザージャケットを合わせても。アクセサリー次第で表情を変えるので、1枚あると便利。
約¥25,415(AU$299.00)
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世界各国から選りすぐりの素材を取り寄せているが、すべてのアイテムはオーストラリアメイドにこだわった。
「一番の理由は、高いクオリティを求めたから。やはり良いものをつくるには、自分が良く知っている場所、信じられる場所でつくる必要がありました。それに、オーストラリアではアパレル業界は縮小していく一方。自分の故郷の業界をサポートする意味でも、これからもオーストラリアメイドにこわだっていきたい。今後はバッグなどの小物も充実させていきたいと思っています」
服作りの専門的な勉強はしていない彼女だが、自らのスケッチ、探し出したこだわりのマテリアルを携え、信頼できるパターンメーカーやドレスメーカーらとともに、夢を一つ一つ、着実に現実のものとしていった。「専門的な勉強はしていないけど、私には強力なパートナーたちがいます。明確なヴィジョンを持ち、自分らしくそれを成し遂げるための道を見つけ、辛抱強く可能性を信じ続けてさえいれば、夢はいつか叶います。多くの若者が夢を見失いがちな時代だからこそ、私が長年の夢を現実のものとして、デザイナーになったことに大きな意味があると思っています」
YR初のコレクションとなる2010春夏のアイテムは、5月19日にYRオフィシャルWebサイトでオンライン発売をスタート。素敵な夢をヤスミンと共有してみてはいかがだろうか。
※日本円表記の商品価格は、2010年5月現在(AU$1=約¥85)の参考価格です。
(text / june makiguchi, interview photo / shiori kawamoto)
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YR/ワイ・アール
販売に関するお問い合わせ先:Tel +61 410 214 770
(オーストラリア・シドニー ※日本語可)
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