『クローサー』は4人の男女の出会いと別れを描いた作品だ。
そこにはアリスとアンナという二人の女が登場するのだが、アンナに近づく二人の男は「君は大人の女性だけど、アリスは子供だ」と連発する。演じているのがジュリア・ロバーツとナタリー・ポートマンなので外見的なことのように思えるが、そればかりではない。「女」にあって「子供」にないもの、それは“憂鬱”である。
そもそも子供は、誰がどう見ても白は白だし黒は黒でしょという明確な二元論で生き、自分の欲望のために簡単に悪になれる強さがある。これに対して大人は、白に見えるけど見ようによってはグレイかもとか、欲望のままに生きて後ろ指さされるのはちょっととか、自分が傷つくのは怖いとか、曖昧でプライオリティもはっきりしない。大恋愛の2年後の泥沼離婚なんてものも時には見てるので、どうせ色褪せる恋のために世界を敵に回すのか?なんて現実的な計算も働いてしまう。
世の中を知れば知るほどいろんな事を考えすぎ、手も足も出ずモンモンとする――これが“憂鬱”の思考回路で、ほぼ大人の女の生活習慣病と言っていい。 |