
男たちが作った歴史を、女は泣いて受け入れるしかなかった時代。それを敢然と拒絶して、自分の意志を貫いた強く凛々しい女性たちがいます。現代女性なら誰もが憧れるそのたくましさは、映画になるほど波乱に満ちた生涯の中で、いまもなお輝いています。
織田信長の姪として生まれ、豊臣秀吉の側室となり、徳川家康と天下賭ける戦いを繰り広げた女性、茶々。戦国乱世の中で、貫かれた彼女の生き様は戦国の世に生きたどんな女性よりもドラマティックです。彼女の人生に大きく影響したのは、二人の夫を政治謀略によって殺害され、自らも時代に翻弄されるままに落命した母・お市だったかもしれません。
茶々が20歳にもならぬ頃、50歳になろうという秀吉が彼女を側室に迎えます。母を死に追いやった男への復讐を目論んだ輿入れでしたが、秀吉の無邪気なまでの寵愛に気持ちは和らぎ、二人の間にはやがて世継ぎの秀頼が生まれます。秀吉の死後、彼女は、我が子と秀吉の残したものを全力で守ります。そして、徳川家康との天下分け目の戦いでは、若い秀頼と共に自ら戦地へと赴くのです。
また、彼女には二人の妹がいました。その一人、小督(おごう)は、秀吉の政略結婚で徳川家に嫁ぎました。茶々は嫌がる小督をこうなだめたといいます。「私が豊臣の世継ぎを、督が徳川の世継ぎを。どちらかが生き残れば勝ち戦」。そして小督は、後に徳川三代将軍・家光の生母となります。
男たちの天下獲りに左右される数奇な運命にも屈折せず、命をかけて子を育み、さらに二人の妹との絆を胸に秘めながら、愛と誇りを貫いた茶々の凛とした生き方は現代女性にも通じるものです。
text / Shiho Atsumi
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『茶々-天涯の貴妃(おんな)-』
2007年12月22日より全国東映系にて公開
監督:橋本一
脚本:高田宏治
原作:井上靖
出演:和央ようか、 寺島しのぶ、 富田靖子、 高島礼子、 余貴美子
原田美枝子、 中村獅童、 渡部篤郎、 松方弘樹
(C) 2007「茶々-天涯の貴妃-」製作委員会












