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数年前からいくつものココ・シャネルを描いた企画のオファーを受けていたというオドレイ・トトウ。全人生を描くありきたりな企画が多い中、選んだ『ココ・アヴァン・シャネル』は、彼女が“シャネル”になる以前を描いた作品だ。

---シャネルを演じる企画は、これまでいくつも?

「独特のヴィジョンのある作品のオファーなら是非受けてみたいと、心の中で密かに思っていたの。だから監督のアンヌ・フォンテーヌがこのテーマをどう扱うつもりなのか説明してくれて、即座に出演を快諾したわ。私自身もココが自らのキャリアを確立して、個性を主張した時代が、彼女の人生の中で最も興味深いと思っていたの。彼女のモダニティ(現代性)やスピリット、彼女が女性に与えてくれた地位といった点に惹かれていたから」

---プレッシャーはありませんでしたか?

「いつかは演じることになると思っていたんだけど、実はある種のプレッシャーも感じてはいたわ。バカみたいだけれど、ココ本人に対してね(笑)。彼女から嫌われるような仕事はしたくないと思っていたのよ。でも観客へのプレッシャーは感じなかった。過去の経験で、それは訓練済みだから。ベストを尽くそうと決心した瞬間から、それ以上のことはできないんだしね」

映画には、シャネルが嘘で固めた自分の過去を披瀝する場面がある。実際のシャネルも世間には本当の姿を隠し、人を惑わす人物だったようだ。オドレイ曰く「謙虚さなのか、田舎出身の特質なのか」――実のところは、よくわからない。

---役作りはどんなふうに?

「ココの本当の姿を知るにはずいぶん骨が折れたわ! 誰を責めるわけじゃないけど、彼女について言われたり書かれたりしていること――たとえばそれが矛盾していても、すべてが本当の彼女に思えるの。最終的には困惑しちゃったわ。だから写真だけを見ることにして、私自身の想像の余地を残すことに決めたのよ。観客が抱いているココ・シャネルの神話的なイメージを念頭に置きつつ、私なりに解釈することにしたの」

---映画に描かれている数年のココの変化を、どう表現しようと思ったのですか?

「ココの写真を見ると、まるで頭の上から紐でつるされているみたいに、偉そうに顎を上げて、真っ直ぐ立っているの。例えばあのエレガントな歩き方や身のこなし、タバコの持ち方を見れば、彼女が田舎娘だったなんてことを見抜くことなんてできないでしょうね。この時期、自信を増していくごとに、彼女の態度や風格は変わっていったわ。でも“権威”として演じる必要があるわけでなく、むしろ彼女の中にあった不安が少しずつ消えていくという風に解釈したの。でも生まれながらの視線の鋭さも伝えたいと思ったわ。シャネルは思慮深く、とりわけ頭のいい女性だった。彼女の運命も独創力も、そのたまものだったのよ」

ココ・アヴァン・シャネル

原題:COCO AVANT CHANEL 
監督:アンヌ・フォンテーヌ
出演:オドレイ・トトゥ、ブノワ・ポールブールド、エマニュエル・ドゥボス、マリー・ジラン、アレッサンドロ・ニボラ
配給:ワーナー・ブラザース映画 9月18日(金)、丸の内ピカデリー他全国ロードショー

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