event奇跡の感覚“ダイアログ・イン・ザ・ダーク”

本当の真っ暗を体験することはめったにない。寝る前の電気を消した状態や瞼を閉じた状態は暗闇のようだが、実は太陽や月の光が反射して入ってきていたり薄明かり感じられたりするので真の暗闇とはいえない。瞼を開けても閉じても真っ暗、自分の手さえ見えない状態が本当の暗闇である。

2005年の日本におけるドイツ年を記念して、この暗闇をテーマにしたイベント『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』が開催されている。日常生活のさまざまな環境を織り込んだ真っ暗な空間を、聴覚や触覚などの視覚以外の感覚を使って体験するワークショップである。いろいろ書くとややこしいが、仕組みは簡単、暗闇の中を白杖1本を持ち、1人のアテンドスタッフと一緒に進んでいく暗闇体験ツアーだ。正直やってみるまで、それがどういうことなのか全く理解できなかった。「なにか目隠しをするのだろうか?」「暗闇で何が楽しめるというのか?」心の中でワクワク感があったのは間違いない。しかし、暗闇に一歩入った瞬間、見えない恐怖と不安が真っ黒になって襲ってきた。「どうしよう…」と思った瞬間、アテンドスタッフから「私の声の方にゆっくり進んできてください」という言葉に安心しつつ、ひたすら無心で感覚に集中していった。
このツアーでは視覚に障害をもつ人がアテンドスタッフをつとめる。日常とは一転した関係によって、普段いろいろな違いに縛られていたことを自然に気づかせてくれる。全ての人が対等なのだということを知る。

暗闇ツアーにはいろいろなシュチュエーションが設けられている。具体的には、実際に体験してから「あ!この感覚なんだっけ? 」と思ってほしいので、多くは書かないが、ひとつは森の中。せせらぎを聞き、草と森林の香りを吸い込み、しゃがんで土と草をつかむ。視覚があったときには感じられないほど、丁寧にひとつひとつを感じ取ることができる。そして街中。線路の音、人の気配、点字シートの存在の大きさ。今まで全く気づかなかった現実だった。

体験中で、アテンドスタッフと参加者、そして参加者同士の絆も強くなる。ひとつの指示に皆が同じ動きをするので、接触や衝突も多々ある。前に進むにしても物を触るにしても、仲間の手をとり「ここですよ」とか「もうすぐ進むと段差がありますから」などとお互いで声の情報交換をする。それによってお互いの連帯感が強まり、いつもよりも素直な感情を出すことができるのだ。

『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』で感じられることは、視覚からの情報が溢れ過ぎている現代においては奇跡に近い感覚だ。自分がもつ未知の感覚、障害者との新しい関係、人との連帯感。暗闇から生まれるものは何もないと思っていたのが間違いだった…と再認識できる貴重な体験である。(photo / (C)yoshiharu koizumi)
■ ドイツ・ハンブルクでは大好評のため開催が5年間延長された。ハンブルグでの常設会場の様子。
■1989年ドイツのアンドレアス・ハイネッケ博士のアイディアで生まれ、その後、ヨーロッパすでに17カ国80都市で200万人が体験している。

活動を継続的に行なうため、2002年11月から「特定非営利活動法人ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパン」を設立しました。活動に賛同していただける正会員、賛助会員を随時募集中。

正会員(特典として開催情報の先行告知ならびに先行予約)
個人/入会金1,200円、年会費4,800円、法人/入会金60,000円、年会費240,000円
賛助会員(特典として開催情報の先行告知)
個人/入会金600円、年会費2,400円、法人/入会金30,000円、年会費60,000円

[振込先]
郵便振替:口座番号 00160-5-576 / 口座名義 ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパン
(お振込みの際、通信欄にご入金の内訳をご記入ください。会員の種類、住所、氏名、年齢、電話番号、メールアドレス)


ダイアログ・イン・ザ・ダーク 2005 D-HAUS

期間:10月4日(火)~11月23日(水)
時間:平日/12:30~20:00、土日祝日/10:30~19:00
会場:広尾・旧自治大学キャンパス D-HAUS
入場料:前売4,000円、当日4,500円(事前予約制)

[予約]
インターネットからチケット予約
電話から:ザ・カンパニー 03-3479-2245(10:00~18:00、土日祝除く)
[当日券]
当日朝、お電話で確認下さい。 D-HAUS 会場チケットセンター 03-3440-0539

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