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香港から世界のクリエイティブ・シーンに影響を与えるフォトグラファー、ウィン・シャ。ファッションフォトグラファーとして撮影しながら、世界のトップブランドの広告を制作、またミュージックビデオまでも手掛けるというマルチなスーパーアーティストである。 ウォン・カーウァイ監督の『ブエノスアイレス』の独創的なスチール写真を手がけたことで幅広く知られるようになった作品や、待望の新作や未公開作もあわせて約300点余りの作品を公開する展覧会が森アーツセンターギャラリーで3月18日より開催される。多忙なスケジュールのなか、来日直前のウィン・シャにmailにて今回の展覧会で伝えたいことを語ってもらった。
そもそも、ウォン・カーウァイ監督と一緒に仕事をするようになったのは、監督のプロデューサーが、雑誌に載ったウィン・シャの写真に興味をもって、監督に紹介したのがきっかけだと言う。

「その時、ぼくはプロの写真家ではなかったから、技術的ノウハウはアシスタントに聞きながら実験的なことを多くやっていたんだ。それをみた監督が、「こいつは面白い」と思ったようで、CM用の写真を撮ることになった。最初ぼくの他にも撮影する人がいたんだけど、撮影半ばで、1人消え、もう1人は、監督に追い出された。1人残った僕の作品に彼は満足して、それ以来スチールを任されるようになったんだ」
ウィン・シャの写真はモデルにポーズをとらせて、ただ撮影するのではなく、ある状況を設定して、お互いにアイディアを出しあって撮影されるから、写真のなかにストーリー性が生まれてくる。香港や中国をロケーションとし、ウィン・シャ自身がストーリーを組み立て写真で表現する全て撮りおろしの新作では、マギー・チャンなど香港や日本の人気俳優たちが、ストーリーごとに”主役”を演じている。今回の展覧会で、ウィン・シャが伝えたいこととは何だろうか?
「“感情”がテーマで、展覧会全体が感情で綴られる小説のようなもの。怒り、嫉妬、情熱など、人の感情は多くの場合一つではなく、その瞬間瞬間で様々な感情が、複雑に絡み合っている。それをストーリー仕立てでより分かりやすく表現することで、動かない写真でありながら、まるで映画をみているかのような気分で楽しんでもらいたい」
あるスタイルをもっと極めたいとは思っているけれど、完璧は嫌なんだ。違ったものを創り続けたい、安定よりも変化を求めて写真をとっていきたい」と最後に語るウィン・シャ。常に飽くなき好奇心で時代をつかむセンスで魅了し、作品のひとつひとつが、ストーリーの断片となりわたしたちを物語へと誘導してくれるウィン・シャの世界をぜひ堪能してみてほしい。
1964年、香港生まれ。香港のLee Wai Technical Institute、 カナダのEmily Carr College of Art and Design の美術大学を修了後、フォトグラファー、グラフィックアーティストとして活動を開始。『VOGUE』『i-D』『New York Times』のファッションページ、ルイ・ヴィトン、ディオール、ナイキなどの広告を数多く手がける一方、CM、MTVなど映像作品も評価が高い。香港在住。 デザイン・映像プロダクション「Shya-la-la」を率いる。
WING SHYA EXHIBITION Distraction Attraction
森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52F)
〒106-6150 東京都港区六本木6-10-1
TEL.03-5777-8600(ハローダイヤル)
開館時間: AM10:00‐PM20:00(入館は閉館時間の30分前まで)
料金:一般:\1,200/高校・大学生:\1,000/4才~中学生:\700
※3才以下のお子様は無料
主催: ブローイング・アップ・アジア実行委員会












