

<融点>とは、固体が融解して液体化する温度でありその瞬間であるとともに、固体と液体という異なる要素が共存する場である。 今、東京オペラシティアートギャラリーでは、ジム・ランビー、渋谷清道、エルネスト・ネト、現代美術を牽引する3作家の個性が融合した「Melting Point(メルティング・ポイント)」展が開催されている。

国内外で注目を集めているイギリスの若手作家、ジム・ランビーの作品の特徴は、カラフルな色彩や、日常生活に溢れるあらゆる素材を豊かなイメージへと変容させること。単体の作品の融合によって生み出される空間に、環境や日常生活といった外的世界と、概念的、心理的な内的世界の両方を内包している。
一方、渋谷清道は、日本美術の伝統的な技法や素材を用い、繊細で荘厳な世界を紡ぎ出す。研ぎ澄まされた静謐な空間に、受け手の感覚までも冴えてくるようだ。今回は「人魚姫」のストーリーを題材に、天空へと繋がっていくような物語性のあるインスタレーションを発表している。
(写真右):ジム・ランビー
《ゾボップ(ゴールド、シルバー、ホワイト、ブラック)》(床)
ビニールテープ
サイズ可変
2007
courtesy: the artist, The Modern Institute / Toby Webster, Ltd., Sadie
Coles
HQ and Mizuma Art Gallery
photo: Keizo KIOKU
ブラジルを代表する現代美術家の一人、エルネスト・ネトは、布や香辛料など自然の素材を用いた有機的なフォルムの作品で知られている。夢と現、精神と肉体の間を行き交うような不思議な感覚を与えてくれるネトが今回掲げたテーマは「地平線、水平線」。あえて引いたその境界に在るものとは……。
こうした3人の作家によって新たに生み出されたインスタレーションは、展示空間をダイナミックな作品へと変容させる。観客は展示スペースに足を踏み入れ、作品世界へと溶け込むことにより、これを身体的感覚を伴った体験として記憶に深く刻み込むことになるだろう。
(写真左):渋谷清道
《ミステリーサークル/6番目の小さな海姫》
和紙、ミクストメディア
600.0 x 450.0 x 995.0cm
2007
courtesy: the artist
photo: Keizo Kioku
会期:2007年7月21日(土)-10月14日(日)
(金・土は11:00~20:00/いずれも最終入場は閉館30分前まで)
時間:11:00~19:00 (入館は17:30まで)
休館:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、8月5日(日)はビル全館休館
会場:東京オペラシティアートギャラリー(3F ギャラリー1・2) 東京都新宿区西新宿3-20-2
料金:一般 ¥900(¥700)、大学・高校生 ¥700(¥550)、中学・小学生 ¥500(¥400)
*同時開催展「収蔵品展024 いのちの宿るところ」「project N 30 田尾創樹」の入場料を含む
*( )内は15名以上の団体料金
*その他割引(半額)=閉館1時間前以降の入場、65歳以上、Arts友の会会員
*土・日および祝日は中学・小学生無料
*割引の併用および払い戻しは不可
主催:東京オペラシティ文化財団
お問い合わせ:東京オペラシティアートギャラリー Tel:03-5353-0756
展覧会カタログには、茂木健一郎氏が執筆者として参加。脳科学者の見地から、Melting Pointについての考察をしている。









