環境や人、モノへの思いを大切にし、自然の恵みを五感で感じられる「食」を提供するロハスなお店が銀座のどまんなかにある。高級ブランドショップが並ぶ銀座大通のすぐ裏手にある『Ryo-ri genten』は入り口の扉をあけると、喧騒から離れたシンプルで落ち着きのある癒しの空間へと導いてくれる。
(写真上):高橋料理長が独自のアイディアで「おひたしを再構築した」という目にも鮮やかな一皿。
こちらでいただけるお料理も極めてシンプルで、毎月メニューが替わるコース料理1種類だけ。「食材そのものの美味しさを損なわず、食べたときの喜びを感じてほしい」と語る高橋一行料理長の言葉通り一皿一皿に深い思いが込められている。
コースの前菜にあたる「おひたし」。まずはそのビジュアルに驚かせられる。色鮮やかで繊細なカラーは、ふっくらとした漆黒の黒豆によって彩りがさらに引き締まる。この美しい一皿は、さまざまな春の食材のおひたしを寒天ゼリーで寄せた季節感あふれる料理だ。雪解けを思わせるつややかで潤いのあるゼリーの中から、次々と春の食材のうまみが染み出てきて、まるで春の息吹を感じさせるようだ。小さなサイコロ状のタケノコ、千切りの春キャベツ、菜の花など、それぞれの食材の切り方ひとつひとつにもこだわりや繊細さがうかがえる。
うまみたっぷりのおだしにつかっているのは高橋料理長の生まれ故郷で採れた秋田小町を使った「焼きおにぎりのお茶漬け」。薬味にはわさびと黒こしょう、山椒の葉と実がピリリと効いてほどよいアクセントに。おにぎりの上に気前よく乗せられた“めぬき鯛”のヅケの美味しさにも注目したい。焼きおにぎりをやんわりとほぐし、お米・鯛・おダシを少しずつを口に含んで旨みを味わいたい。
(写真右):ホワイトと木目を基調にしたシンプルな店内。銀座大通を一望できる広々とした空間だ。
シンプルでやさしく盛り付けられた「白魚のてんぷら」は、いまにもピチッと躍り出しそうだ。フワフワにホイップされた天つゆのヌーベと衣のサクサクした食感がいっそう食事を楽しませてくれる。ぜひともアツアツのうちにいただきたい一品だ。
契約農家から食材を仕入れているだけあり、どの料理に対しても食材への最大の敬意を払って調理されているのが伝わってくる。ただシンプルなだけではなく、高橋料理長の個性的なアイディアによって生まれ変わった食材たちが皿の上で悦びの姿を現す。それが、食べる側の笑顔に変わってゆくのだ。
( text / yasue ishiga 、photo / chikahito nagai )
(写真左):食欲をそそるおだしの香りがたまらない「焼きおにぎりのお茶漬け」と、粋のいい白魚をシンプルに揚げた「白魚の天ぷら」
Ryo-ri genten
東京都中央区銀座4-6-1 genten GINZA 2F
TEL:03-3564-1511
営業時間: 11:30 ~15:00/18:00 ~23:00(土日祝は22:00)
定休日:月曜
ランチコース¥5,000、ディナーコース¥12,600(税込)
1Fは自然のぬくもりを活かしたレザーアイテムが揃う『genten』。
コース料理をいただく際には、
予約をして訪れたい。