一昨年、西麻布に1軒のイタリアンレストランがオープンした。その美味しさ、ボリューム、コストパフォーマンスのよさ、深夜でも美味しいものが食べられるということから、味やセンスにうるさい西麻布の深夜族たちを虜にし、瞬く間に「東京一、予約の取れないレストラン」に成長したのが『DAL-MATTO』である。その待望の姉妹店が5月に恵比寿に登場した。
ジェノヴァやトスカーナで修行をした若きオーナーシェフ、平井正人氏が腕を振るうイタリアンにはメニューがない。その日に入荷した食材からインスピレーションを受け、メニューが決まる。お客さんに食べられない食材を確認し、ボリュームもお腹の具合に合わせて調節してくれる、いわばセミオーダー的なレストランなのだ。行くたびごとに新しい一皿に出会うため、いつでも新鮮な気持ちで楽しむことができる。
この日は、さよりの酢〆と湯葉のスープという和テイストなアミューズからはじまった。じゅん菜、海ぶどう、島らっきょうなどが散りばめられた金目鯛のカルパッチョ、佐藤錦の冷製カッペリーニ。さらに、とびうおと香味野菜のしりとりパスタ、ズッキーニやインゲン、紫アスパラなど野菜たっぷりのテリーヌが続く。そして最後は、松阪牛のロースト! イタリアンらしく、みんなでワイワイとシェアしてちょうどよいボリューム感。野菜、魚、肉、オリーブオイル…、季節感もあり、それぞれの食材に手抜かりはなく、一皿ごとに感動がある。この味、この素材、このボリュームで、5,000円とはかなりのハイ・コストパフォーマンスだ。
地下が食事スペースとなっている。地上へ繋がる吹き抜けと開放感のある大きな窓のため、圧迫感はまるでない。カウンター8席、テーブル3席、個室1室のみとこじんまりとしている。平均年齢29歳という若いスタッフたちが、オープンキッチンでキビキビと調理する姿は清々しい
もうひとつうれしいのが、1,500円でハウスワインが飲み放題ということ。ハウスワインといっても、イタリアでオリジナルをボトリングしてもらっているため、レベルは高い。ついつい、飲みすぎてしまわないよう注意したい。
食事がひと段落すると地下から1階のラウンジに案内される。開放的な地下の食事スペースとは違う、落ち着いた雰囲気が食後に心地よい。こちらで、ゆっくりとくつろぎながらデザートとコーヒーをいただくのだ。グラッパやレモンチェロなど食後酒で締めるのもいいだろう。食事からバータイムまで1軒で完結できるので、2軒目を探して東京難民になることもなく合理的。
各界から早くも大注目のイタリアン。またもや予約が取りづらくなることは必至なので、今すぐ気のおけない仲間たちを誘って、この幸福を体験しておきたい。( text / miho sasaki 、photo / chikahito nagai )
DAL-MATTO(ダルマット)
東京都渋谷区恵比寿西2-7-8
TEL:03-3780-9955
営業時間:17:30~25:00(LO 24:00)
定休日:月曜
チャージ料 \500 個室チャージ料 \1,000
1階は、ラウンジのみの使用も可。ワイン、グラッパ、シングルモルト、リキュールなどが揃っている。恵比寿西一丁目の五差路を渋谷方面に直進、恵比寿区民会館を左折する。少しわかりにくくても、わざわざ足を運ぶ価値のある“とっておきの1軒”