下町情緒を残しながらも、少し淫靡な空気感も併せ持つ、神楽坂。青山や六本木とは違う、本当の大人の雰囲気を漂わせているのは、かつて花街としてのにぎわいをみせた名残なのかもしれない。そんな独特なムードの街にぴったりとマッチした、大人のためのレストランが『まゆきら』だ。
(写真上):活オマール海老のキャラメリゼ うずら豆と海老のソースで
海老ミソを使用した濃厚なソースが絶品。ぷりぷりのオマール海老の美味しさを存分に堪能できる。パリパリで香ばしいジャガイモのファンテーヌの食感も楽しい
モダンなビルの3階に上がると、そこには店名が表記されていないガラス製ドアが。その密やかなたたずまいに、一瞬たじろぐが、勇気を出して開けてみる。すると重厚でラグジュアリーなバーラウンジが広がる。そんなモダンな雰囲気なのに、和服姿の粋な女将が出迎えてくれることにも驚かされる。
さらに、奥のドレープカーテンで閉ざされたエリアに、好奇心が突き動かされる。恐る恐る、案内されると、そこには本格的な鉄板焼きグリルが設置されたレストランフロアがあり、再び驚くこととなる。これはオーナーシェフの大野修吾氏が、ニューヨークのSOHO地区で懇意にしていたレストランバーに習ったインテリア手法だそう。バーと思わせてレストランがあるという、サプライズ効果でお客を楽しませてくれる。
(写真右):ドアを開ければ、そこはまるでニューヨークのモダンなバーのよう。こじんまりとしながら、遊び心あふれる設計に心奪われる
(写真左):緑健野菜のヴァンプール アンチョヴィのソースで
ズッキーニ、ブラウンマッシュルーム、オクラ、カブなど旬の野菜を10種類、蒸しただけのシンプル料理でありながら滋味深い、人気の一品。野菜のブイヨンのソースとアンチョヴィの塩気がアクセントに
(写真右):クレープシュゼット いちごのクーリとマリネを添えて
パリッと薄く焼き上げられながら、中身はしっとりとした絶品クレープ。いちごとクレープの相性のよさはいうまでもない美味しさ。さわやかな口あたりなので、料理で満腹になっても不思議と平らげられてしまう
※すべてコース料理より
驚かされるのはインテリアだけではなく、その味。チープな和と洋のコンテンポラリー料理は巷に数多く存在するが、こちらの料理はそんな子どもだましのものではない。大野氏は、和と洋の持ち味をそのまま活かし、組み合わせとして和洋折衷の妙を楽しむという考え。それゆえ、コースにはお造りも含まれているという柔軟さだ。厳選された食材も各地から直送されるため、お店に届くのはオープン直前! それらの食材を見て、当日のメニューが決まるという大胆さ。グランドメニューはもちろんあるが、食通が多く集う街であるがゆえ、おまかせを望む常連が多いという。シェフたちもあらゆるオーダーに応え、即興で料理を生み出すことに、料理人としての挑戦と醍醐味を感じているそうだ。
(写真左):「手軽なグラスワインからヴィンテージワインまで取り揃えています。カクテルもお好みのものをお作りします」とは、バーテンダーとしてキャリアを積んできた店長の大山暁氏
(写真右):オーナーシェフの大野修吾氏は、都内有名イタリアン各店での修行を経て、オーストラリアへ。2006年9月、念願叶っての『まゆきら』をオープンさせる。「同じ食材でも調理法によって、まったく味わいが異なるもの。どんどん、わがままや好みを伝えてください」とのこと
お客の好みを知るために、シェフをはじめホールのスタッフも、積極的にお客と会話をする。そこから本当に求めている、好みの一皿が生まれるという。さらに、オーダーしたものはすべてカルテに記され、続けて同じものは出さないという徹底ぶり。
仕事で失敗したとき、大事な会議の直前、残業で深夜帰宅の日…。美味しいお酒と料理をいただきながら、スタッフたちとなにげない会話を楽しめば、明日への活力になるというもの。自分に渇を入れたいとき、心地よいホスピタリティとバツグンの一皿で迎えてくれる一軒だ。
(text/miho sasaki 、photo/chikahito nagai)

電話予約時に「veritaを見た」と伝え、来店された方、先着2名様にモエ・エ・シャンドン ブリュット アンペリアルのフルボトルをプレゼント
(2007年2月末日まで)
まゆきら
東京都新宿区岩戸町1番地 M’s神楽坂3F
Tel:03-5261-5191(営業時間外ご予約電話 080-6808-6800)
営業時間:月~土 17:30~27:00(LO 26:00)/日・祝 17:30~23:00(LO 22:00)
不定休
<コース>
小春 \6,000、冬霞 \8,000、寒椿 \10,000
飯田橋駅より神楽坂上交差点を目指し、下町情緒の残る神楽坂通りを上る。大久保通りに入ってすぐのビルの3階
鉄板焼やグリル焼をライブで見守れるカウンター席が人気。仕事帰りに一人で立ち寄り、気軽にワインと小皿料理を楽しむ人が多いという