FOOD FRANCE
最新フランス料理を堪能する絶好の機会 FOOD FRANCE

先に発表されたばかりの『ミシュランガイド東京』。今まで日本には継続して出されるレストランの評価本がなかったこともあり、グルマンはもちろん、食にあまり興味がなかった人たちからも注目を浴び、どこの書店も売れ切れ続出だという。今回、三ツ星8店、二ツ星25店、一ツ星117店という結果はご存知のとおり。

(写真上):手長海老のラヴィオリ、リンゴのピュレ、フォワグラ
海老の甘みとりんごの酸味が口の中で同時に広がる楽しい一品。ぷりぷりの食感のラヴィオリ、下に敷かれたフォアグラ、シャキシャキで甘酸っぱいリンゴのソテー、鴨の脂でモンテしたリンゴのピュレをいっしょに食べることで、それぞれの素材がつなぎとなって旨みがアップする。味のバランスを計算尽くした一品

ブノワ

今回、星を獲得した外資系レストランのひとつに『ブノワ』がある。1912年創業の老舗ビストロの名を冠したレストラン&カフェがアラン・デュカス氏のプロデュースによって東京・青山にオープンしたのは2005年。ブノワ本店の「ビストロ精神」のエッセンスを伝えるため、伝統を守りつつ、現代らしさをプラスしたバランスのよい一軒だ。高級メゾンにありがちな重々しさもなく、個人の邸宅を訪れたような温かさと懐かしさが感じられる、アットホームな雰囲気の中で一ツ星の味が楽しめるのは幸せとしか言いようがない。

(写真右):2フロアで構成された店内に一歩足を踏み入れると、錫のバーカウンターが視界に飛び込み、まるで20世紀初頭のフランスへタイムトリップしたかのような錯覚に陥ってしまう。それもそのはず、フランスのエスプリを伝えるため、すべての資材を本国から持ち込み、腕のある最高のフランス職人たちが手掛けたのだから

その名店『ブノワ』で、春から『FOOD FRANCE 2007』が開催されている。これは、世界屈指の料理人であり、クリエイターであり、名プロデューサーであるデュカス氏が、2003年に創設したイベント。パリのレストランばかりに注目が集まることに疑問を持った氏が、フランス各地方で活躍する有望な若手シェフたちを招聘し、広く世界に向けて紹介することを目的としてパリでスタートし、フランス国内で高く評価されたことを機に、昨年より東京で開催されるようになったのだ。

そば粉のデクリネゾン

『FOOD FRANCE』は単なる美食イベントではない。料理人にとってはモチベーションを向上させ、今後の発奮材料になる。食べる側としては、今まで味わったことのない新しいフランス料理に出会えるメリットがある。フランスは農業大国であり、海や山など自然に恵まれ、地方によって食文化が異なる。スペインやイタリア、ベルギーなど隣接する国の影響も多大に受けている。旅行で出会ったあの味が忘れられないという人も多いのではないだろうか。

『FOOD FRANCE』は、そんな地方の伝統的な食材や味にオリジナリティと創造性を吹き込む、若く才能あるシェフたちにクローズアップし、新たなフランス料理の魅力と可能性を体感できる貴重な機会なのだ。地元の素材や味をリスペクトしているデュカス氏らしい企画だ。また近い将来、世界的に有名になる素質を持っているシェフたちばかりなので、青田買い的な楽しみ方もあるだろう。

(写真上):そば粉のデクリネゾン
デクリネゾンとは仏語で「語尾変化」という意味。そば粉をフルに使いこなし、その可能性をさまざまな形で引き出したデセールプレート。(手前より時計回りに)弾力あるそば粉のマシュマロにのせた、キャラメル風味のアイスクリーム、そば粉の風味がほのかに感じられるクリームブリュレ、そば粉の香ばしさとモチモチ感が絶品のマカロン、しっかりと濃厚な味わいのそば粉風味のヨーグルト。この順番で食べることで、パーフェクトな美味しさを堪能できる

今回、第4回招聘シェフであるオリヴィエ・ブラン氏の料理を試食した。ブルターニュ出身のブラン氏はそば粉や乳製品、新鮮な海・山の幸を使って、非常にクリエイティブな一皿を生み出す。温かいものと冷たいもの、食感の違うもの、今まで非常識と思われた素材の組み合わせの妙を得意とし、一皿に盛り付けられた料理の食べる順番を指示するほどのこだわりも持つ。確かにその通りに食べると美味しさが倍増するので、その緻密な計算に感服する。初来日かつFOOD FRANCE初参加のブラン氏曰く、「自分の料理には、生い立ちという背景が反映されていることを再認識させてもらった。これからもブルターニュ人としてのフランス料理を提案していきたい」。ここに、また新たな決意をした料理人が生まれ、デュカス氏のフランス料理への熱い想いが引き継がれたようだ。
(text/miho sasaki、photo/kawakami shu remy)

オリヴィエ・ブラン
1971年生まれ。ホテル学校卒業後、ジョエル・ロブション氏やジャック・トレル氏に師事。野心と努力で料理コンクールに参加し、さまざまな賞を受賞。1997年、19世紀後半よりブルターニュ地方西部の海辺で祖母が始めた小さなレストラン『オーベルジュ・デ・グラズィック』を受け継ぎ、ミシュラン一ツ星を獲得するまでに成長させた。

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オリヴィエ・ブラン シェフより
verita読者への直筆メッセージ
「私は生粋のブルターニュっ子。ブルターニュに来ていただけたら、地元の素材を使った最高の一皿でお迎えします」。料理について非常に熱く語るシェフ。おもむろにペンと紙をとりイラスト(自画像)入りメッセージを書いてくれた

【FOOD FRANCEについて、詳しくはこちら↓】

special--FOOD FRANCE

ブノワ

東京都渋谷区神宮前5-51-8 ラ・ポルト青山10F
Tel:03-5468-0881

営業時間: レストラン ランチ 11:30~16:30(LO 14:30)
  ディナー 17:30~23:30(LO 21:30)
カフェブノワ 11:30~23:30(LO 21:30)


定休日:年中無休

【レストラン】
・ランチ  ¥3,000、¥4,500、¥5,500、¥7,000(すべて税・サ込)
・ディナー ¥6,500、¥7,500、¥9,000、¥12,000(すべて税・サ込)

【カフェ】
・ブノワプレート ¥2,500(税・サ込)
・ケーキセット  ¥1,400(税・サ込)

【アクセス】
東京メトロ表参道駅より国道246号線を渋谷方面へ徒歩7分。ファッションビル『ラ・ポルト青山』の10階。青山学院大学の向かい側

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