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渋谷,セレンディップ

渋谷,セレンディップ

薫風さわやかな…というより、夏日の連続だった初夏が過ぎ、梅雨を前に早くもバテ気味、このまま夏を乗り切れるのか心配…というあなた。思い出して欲しい、私たち日本人は、この変わりやすい気候の中で旬の食材、とくに旬の魚を食べることで生きるパワーをもらってきたことを。そして、覚えて欲しい。東京・渋谷に、小田原直送の旬の地魚が、いつでも食べられる和食店があることを…。

(写真上)小田原・早川港で朝獲れた新鮮な地魚ばかり。手長海老は卸に出さず、漁師から直接買い付けたものだとか。お刺身はもちろん、日替わりでさまざまな料理で提供してくれる。

渋谷,セレンディップ
(写真上)穴子は梅雨の時期までが旬でいま一番オススメ。93歳の超ベテラン漁師の獲る“江戸前”羽田浅場穴子しか仕入れない。煮穴子鉄鍋まぶしは穴子の身をほぐしてご飯に混ぜ、煮つめ汁をかけていただく。「本日の炊き込みご飯」¥2,400  

渋谷から明治通りを恵比寿方面に歩くこと10分と少し。大通りから脇道に入った住宅街、氷川神社のお膝元に和食店『SERENDiP(セレンディップ)』はある。ここは若者の街ともビジネス街とも違う、どこか懐かしい下町情緒に溢れた渋谷だ。外観は一見してまず飲食店には見えない。ガラス越しに目に飛び込んでくるのはたくさんの植物、それもサボテンだ。「サボテンは夜、酸素を出してくれるのでお店の空気がきれいになるかなあと思って」とはオーナーの泉晶子さん。以前は花屋を併設していたという名残で、店には緑が多い。人一人分ちょっとの幅の間口を抜けて店内へ入るとアンティーク家具を基調としたすっきりと落ち着いた空間に。洗練された中にも、我が家へ帰って来たかのようなくつろぎを覚える。

さて、肝心の魚料理はというと、「セレンディップの魚は美味しすぎる」「他の店とぜんぜん違う」「この値段では安すぎる!」と評判は上々なのだが、それもそのはず。小田原の漁港でその日に水揚げされたばかりの旬の魚を仕入れているのだ。

渋谷,セレンディップ
(写真上)ストウブ鍋を使い魚も野菜も旬の味をジャマしないシンプルな料理法でいただくのがセレンディップ流。自家製トマト味噌と塩でいただく『本日の地魚・旬菜の蒸し焼き』¥2,500 

「お客様には旬の活きた魚を味わって欲しいから、いつ、どこで、どのように獲れたのかわからない魚は仕入れません」とは料理長の浜名さん。仕入れ先は、聞けば誰もが知っている都内有名イタリアンレストランや寿司屋にも卸しているという魚屋だとか。最良の魚が買える信頼の店しか選ばない。魚の目利きはもちろん、小田原から東京へ運ぶ際も、鮮度を保つ技術がしっかりしているため、地元で食べるような、いやそれ以上の味を、東京・渋谷の下町で味わうことができるのだ。
その日、その日で仕入れ状況が変わるのでメニューは日替わり。予約時に好きなモノ、苦手なモノを伝えるとそれにあったメニューを考えてくれる。常連になると、伝えなくても用意してくれるので、お客はどんどんわがままになるとか。

渋谷,セレンディップ

それもこれも「お客様に満足して欲しいから」という料理長の心意気なのだが、仕入れ状況によっては希望に添えない場合ももちろんある。もし、そうであったとしても「その日に美味しいモノしか仕入れません」と自信を持って提供してくれる料理との出会いがまた、この上なくうれしいのだ。「店名のセレンディップは英語の“serendipity”からつけたもの。『偶然がもたらす奇跡』というような意味で、ふらっとやって来て『いい店見つけたね』って思ってくれたら嬉しい」とオーナーの泉さん。ふとした偶然に、渋谷の下町に迷い込んで絶品の魚料理に舌鼓…。そんな出会いを自分で嗅ぎ分ける能力を持ちたいと思うと同時に、『セレンディップ』の味は決して偶然ではない。この店でこの味に出会えるのは必然である。魚好きなら確信を持って出かけて欲しい一軒だ。

(写真右)一見すると雑貨屋さんのよう。古民家を移築して改装したため、間口は狭く、低いが店内は広々している。看板に描かれている花はネリネ。花言葉は「また会いましょう」というのも素敵だ。

(text/yuko kotani、photo/chikahito nagai)

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SERENDiP(セレンディップ)

住所:東京都渋谷区東2−20−18 氷川町アパート1号店舗
Tel:03-3498-0822
営業時間:18:00〜22:30 
定休日:日祝
席数:38席(内カウンター3席)

季節の食材を使ったコース料理は¥4,000、¥5,000、¥7,500
その他、内容、予算は応相談
その日のオススメは営業日はほぼ毎日アップされているブログでチェックを。

(写真右)花をかたどったシャンデリアはアンティーク。古民家を改装した店内に、洋風のアンティーク家具がしっくりと納まっている。壁に書かれた絵などが温かみを感じさせる。


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