サイト内検索

Top > food > gourmet

アニュ

アニュ

素直に幸せだと感じられる時間

昼夜も、3つのコース料理が基本。それは、ひとえにシェフが一皿一皿の「パーフェクション」が際立つ料理ではなく、途中には箸休め的に肩の力を抜いた料理 を挟むなど、コースだからこそ味わえる「料理の流れ」や「トータルバランス」、つまりコースとしてのパーフェクションにこだわるからである。

アニュ

この日いただいたフランスの伝統色「ブルー・マリンヌ」と名付けられた夜のコース8,000円は、3つの前菜、スープ、魚、肉料理、デザート2品、食後のお飲物で構成されている。
5月~6月にかけての前菜「山口県萩産、瀬つき鯵のサラダ、よもぎのソース」は、瀬戸内で育った脂ののった鯵を香辛料でマリネし、よもぎのソースと伯方の塩のジュレ、石川、長野、栃木県の契約農家からその朝直送された新鮮な野菜とともに味わう一皿だ。セリ、ルッコラの花、ワサビの花と いった苦みのある大人の味が何とも魅力的で、透明な塩のジェレが新鮮な驚きを与えてくれる。

(写真上)ヴェールの皿に特注したスティック状の器を並べた突出し3種は、山口県萩産の桜鯛のタルタル、石川県菊芋のフラン、魚介のエスカベーシュ、タケノコのベーコンプードル添え、姫皮のヴィネガーマリネ。スティックを刺す場所によって皿のデザインを自分好みにアレンジ できる楽しさがある

アニュ

また、「空豆のコンソメ」は、野菜の エキスを水に抽出したスープに香りのよいオリーブオイルを一滴たらしただけで、野菜のピュレは一切入らないコンソメだ。シンプルでミニマムな味わいは、 コースのなかの一皿だからこそ引き立つ。シェフは、大量の野菜を水に煮出すという同じ発想で「茸のコンソメ」や「ラタトウイユ」も作るのだという。
コースのクライマックスは「トロワグロ」「タイユヴァン」といったミシュランの3ツ星レストランで修行した腕前を披露すべく、「フランス ドンブ産ウズラ・イ ンペリアルのロティ 甲殻類のソース」といった正統派フランス料理で締めくくられる。ドンブ産の大きく珍しいウズラ・インペリアルをローストし、ブルター ニュ産のオマール海老、他の甲殻類ソースでいただく料理だが、バターの濃厚さというよりは、やはり、軽さが感じられるのが現代フランス料理の流れなのだろう。付け合わせには、野菜の歯ごたえが残る程度に調理した石川県の蕪や人参、また、タロ芋や中国野菜を添えてある。

素直に美味しく、幸せだと感じられる時間。これはひとえに、下野シェフの才能あふれる料理と、彼がのびのび料理できる環境を整え、「割烹フレンチ」のように作られた料理をタイミングよくお客に供するアニュのスタッフのチームワークによるもの。キッチンとダイニング、双方からのプレゼンテーションこそが、この店に何度も人を呼ぶのだ。

(写真上)左:37歳の若き料理人、下野昌平さん。フランス「トロワグロ」「タイユヴァン」などで修行したのち代官山の「ルージュ・ドゥ・ラシエット」でシェフを務め、ア・ニュをオープンした。妻の佐知子さんは、公私ともに裏方を支える大事なパートナーだ 右上:店内を飾 る絵画は、赤ワインのグラスの中やワインの製造過程をイメージしたヴェロニク・フレミィさんのパステル画 右下:ワインカーブにはブルゴーニュ、ボルドー を中心に約400種のワインが並ぶ。1種600円で、珍しいミネラルウオーターの飲み放題サービスも

(photo/chikahito nagai   text/kiri ishizawa)


>>前へもどる
1 2

関連キーワード

アニュ

ア・ニュ ルトゥルヴェ・ヴー

東京都渋谷区広尾5-19-4SR広尾ビル1階
Tel:03-5422-8851
営業時間:ランチ11:30〜16:00(L.O.13:30)ディナー18:00〜24:00(L.O21:00) 
定休日:火曜
席数:28席(個室8名、4名)

昼コース/3,500円(2種)、6,000円、12,000円
夜コース/8,000円、12,000円、18,000円〜
※別途サービス料10%が必要




gourmet 一覧


おすすめ記事