福島県は会津若松市に伝わる漆器工芸、会津塗。豊かな自然に抱かれ、四百数十年にわたって継承されてきたこの伝統工芸が、現代の瑞々しい感性と出会い、新しい歴史を刻み始めている。2006年、会津の歴史と現代とを繋ぐムーブメントの中で誕生したのが新ブランド「BITOWA」。これまでも、漆器、蒔絵の技を生かしながら、現代の生活の中にもしっくりと馴染むプロダクツを発表し、各方面から注目を集めてきたが、ここにきてまた興味深い展開が生まれた。「BITOWA」が2010年に新シリーズ「BITOWA DÉCOR」を発表したのだ。ファッション、グラフィック、プロダクト、パッケージ、映像など様々なヴィジュアルディレクションとデザインを行うSOMA DESIGNの廣川玉枝、福井武を迎えて、より革新的なステージへと入っていく。そのSOMA DESIGNがコンセプトに掲げたのがわび・さびとともに日本特有の美的価値観“miyabi”。上質でありながら気品と華やかさ、そして遊び心を併せ持つアイテムを提案。凛とした佇まいを持つ和のフォルムを活かしつつ、会津特有の“本金上色”の蒔絵装飾を施した点も大きな魅力になっている。
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「SOMA DESIGNは、ひとつのチャネルとしてファッション(SOMARTA)の分野でも発表しているので、その部分と漆器の日常性をリンクさせたライフスタイルを提案したいと思いました」と福井氏。「そこでまず思いついたのが、ジュエリーボックス。アクセサリーライン(ARMATINE)も発表していますからね」お重の機能を生かし、積み重ねて収納できるジュエリー入れは、ありそうでなかった画期的な使い勝手が魅力。もちろん、SOMA DESIGNならではの、華やかなデザイン性が日常に華やぎを添えてくれる。
(写真左)2009年1月のメゾン・エ・オブジェでの様子。SOMA DESIGNらしい世界観が表現されている。
「デザインに着手するにあたり、会津の資料館を訪れました。今あってもいい、カッコいい、自分たちが欲しいと思うものからインスピレーションを大いに受けています。無駄をそぎ落としつつ、華やかさがあるのが会津塗。シンプルなものは多く見つかりますが、会津の蒔絵はとても華やかで綺麗で、今探そうと思ってもなかなか見つからないものも多かった。その伝統工芸技術は素晴らしい。職人さんにデザイン出しをした際に、“こういうことは出来ますか”と伺うと、“できるよ。需要がないからやってないんだ”と言うんです。技術力と表現の場、ビジネスのバランスが崩れていると感じました。このまま需要が減り続けて、やがて継承されなくなる技術、伝統になってしまうのかと思うと、それを黙って見ているわけにはいなかいと思いました」
伝統工芸とのコラボレーションは、以前からSOMA DESIGNとしても興味を持ってきたジャンル。今回、会津塗というパートナーと出会い、“伝統との幸せな融合”という難題にも自分たちらしい答を見つけることができたという。
「漆器は、これまでの伝統の中で、その時代ならではの用途が活かされてきたもの。そう考えると、今作るならシステム化、ユニット化だと思いました。ライフスタイルにあわせて組み合わせることができる。そして、今の生活に入っていくなら、白という色も絶対に必要だろうとも考えました」
「クラシックとモダンの間、洋の東西の間にありたいと思っているんです。黒でそろえれば東洋的。白はどこかロイヤルな感じで西洋を思わせる。もともと「BITOWA」はシンプルなラインナップですが、SOMA DESIGNとしては、美しいものは美しいということをより強調しました。漆器のイメージを覆し、より大きな可能性を表現できたらと考えています」通常のプロダクトデザインとは違う斬新なアプローチを得意とするSOME DESIGN。ブランディング能力、独自の構築性、ひとつの世界観を纏め上げる力を評価されての起用だ。ファッション業界との強い繋がりもあり、2月に初お目見えしてからというもの、これまで漆器とはあまり縁のなかった業者、個人からも、国内外ともに問い合わせが相次いでいるという。
(写真上)ヨーロッパな雰囲気を漂わせるホワイト。背の高いSide Table UTENA Lと引き出しのついたChest MIYABIを組み合わせ、低いSide Table UTENA Sを上と下に合わせたスタイル(右)。組み合わせは自由自在。Side Table UTENA Sは、ローテーブルとして花を乗せても(左)。
「お店やホテルなどの空間を演出できるインパクトも持っていますし、トータルでライフスタイルをコーディネートできます。今後も、ここから派生してどんどんアイテムを増やしていき、ライフスタイルの中にもっと浸透するように展開していきたいですね。もともと、庶民の日常使いのものとして発展してきたので、質実剛健なつくりの会津塗。値段的にも、飾るものというより使うもので、生活空間に入っていくものですから。それに、これまで漆器といえば、食器売り場だけで展開しているイメージですが、これからはアクセサリー、ファッションと一緒に並ぶようになると嬉しいですね。とにかく気張らずに、漆器を楽しんで欲しいです」
美しく、機能的な日本の伝統を、もっと身近に楽しめるきっかけとなってくれる「BITOWA DÉCOR」。全く新しい役割と、既成概念を覆す魅力を持った新時代の会津塗が、日本の美を再発見させてくれることだろう。
(text/jun makiguchi)
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商品に関するお問い合わせ SOMA DESIGN
Email:soma@somadesign.jp
販売に関するお問い合わせ TEAM BITOWA
〒965-0056 福島県会津若松市金川町1−4(有)遠藤正商店内
Tel:0242-23-1566
Email:info@bitowa-from-aizu.jp
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