musicPARIS CALLING/旅先での偶然

今この原稿をパリのホテルで書いている。

もう前のアルバムからは5年ぶりになる新作のレコーディングの為にここパリにやってきた。
先週まではロンドンにいた。 ロンドンからパリに向かうユーロスターに乗るためのウオータールー駅で驚くべき人物に遭遇した。

伝説のパンクバンド、元ザ・クラッシュのベーシストのポール・シムノンである。 ホームへ上がるエスカレーターの僕のすぐ前でプライマル・スクリームのボーカリスト と一緒だった。彼らは僕と同じパリ行きのユーロスターの別の車両へと乗り込んでいた。
ザ・クラッシュと言えば、僕の人生を変えてしまったと言っても過言ではないほど 当時彼らの熱狂的なファンだった。
もちろん今も変わらず大きな存在である。
偶然だが一昨年他界してしまった、そのザ・クラッシュのリーダーでありボーカリスト のジョー・ストラマーの生前のドキュメンタリーDVDをこの旅に持参していた。

なんだか無性にザ・クラッシュが聴きたくなり、滞在してるオペラ座近くのfnacというCDショップに立ち寄った。またまた偶然だが、彼らの代表作の『ロンドン・コーリング』が入口のすぐそばの正面に置いてあり、僕を待っていたかのように並べられていた。 迷わず買ってホテルに戻り聴いた。

もう何百回聴いたかわからないアルバムだが、 聴けば聴くほど素晴らしい。
パンクというと、ただ激しく暴力的な音楽と思ってる人も 多いかもしれないけど、このアルバムはレゲエ、ジャズ、ソウルなど様々な影響が見られ、 緻密なアレンジとセンスは単なるパンクバンドの粋を軽く超えている。 とにかく男っぽくて粋でカッコ良すぎる! この手の音楽にまったく縁のない方も是非聴いてもらいたい歴史的名盤である。 この後のアルバム『サンディニスタ』ではさらに加速し別次元に行ってしまう。

・・・翌日そんな事を思いながら通りを歩いているとその『サンディニスタ』の プロデュースをしたUKのレゲエDJ、マイキー・ドレッドのパリのサウンドシステムでのLIVEポスターが目に飛び込んで来た。こんなにクラッシュに縁のある旅も珍しい。

週末はマイキーのライブに出かけようと思う。
THE CLASH 『 LONDON CALLING 』
  『 25周年記念盤 』
NEVIGATOR's PROFILE
下田法晴/ Michiharu Shimoda
1967 年生まれ。 SILENT POETS /サイレント・ポエツ、グラフィック・デザイナー
1991 年に美大で出会ったメンバーと SILENT POETS を結成。 今までに通算 6 枚のオリジナル・アルバムと 7 枚のリミックス・アルバムなどをリリースし、海外からも高い評価を受ける。現在は DJ Yellow を共同プロデューサーに迎えた次回作を制作中。
その他、 ISSEY MIYAKE のパリ・コレクションの音楽やUA のプロデュースや平井堅のリミックス、またグラフィック・デザイナーとしても活躍している。

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