music気高く在るが故の憂鬱

僕がお勧めするアルバムは、ニック・ドレイク『ピンクムーン』です。 名前は知ってはいたが、何となく聴いた事がなかった人なんだけど、何年か前に、CD屋でやっぱり何となく手に入れて以来、ずっと聴き続けているアルバム。 どうやら、精神的に、非常に繊細な人だったらしく、本作を作った後、しばらくして抗鬱剤の過剰摂取で亡くなったそう。

音楽的には、歌、ギター、そして一瞬だけ出てくるピアノを自身で演奏しているだけのとてもシンプルな内容なのだけど、なぜかとても濃密な音楽に聴こえる。 一応、音楽を生業にしてるせいか、名盤と言われる物と、その他大勢をわける境界線てなんだろう、なんて事を考えたりするのだけど、このアルバムには、その他大勢には感じられない気高さが感じられる。 もしくは、あまりに自分の表現と真っ正面に向き合ってしまったための憂鬱というか。 この世の中で、純粋さをキープして行くという事は、とてつもなく憂鬱な事なのかもしれない。

皆、それに折り合いをつけて、大人になって行くのだろうけど。

彼は、この作品の前に2枚アルバムを発表しているが、評判の割には、セールスに結びつかなかった様で、それも精神疾患の要因になってるらしい。なんか、身につまされる様な、、。

このアルバムの制作後に、周りの励ましもあって、もう一度スタジオに入るのだけれど、その際に、「言葉を思いつかない。何に対しても何の感情もない。笑いたくも泣きたくもない。僕は感覚を失っている。」と語ったという。躁鬱患者ならではの言動かもしれないが、日々の惰性に任せているばかりの自分には決して出てこない言葉だな、なんて思ったりして。

そんなサイドストーリーがピックアップされがちな人ですが、アルバムの内容は、穏やかな素晴らしい音楽ですので、機会があったら、是非聴いてみて下さい。(text/ 鈴木正人)

初のソロ・アルバム完成!ゲストVo.として、UA、青柳拓次が参加

鈴木正人 1st album"UNFIXED MUSIC" 11月22日発売
intoxicate records INTD-1010 / ¥2,600(税込)
1.Mist Goes Out  2.El Hombre Dorado  3.Hide-Covered Trunk  4.A Tone Of Black
5.A Giraffe Has Some Melancholy  6.Circus Act  7.Tiny Notes

■INFORMATION
NEW YEAR'S TONE 鈴木正人 "UNFIXED MUSIC" Release Live
日程:1月27日(土)  会場:原宿 QUEST HALL  開場:16:00 / 開演:17:00
チケット:¥4,500(with 1drink)/ 4日間通し券 ¥16,000(with 1drink)
チケット発売:11月11日(土)  チケットぴあ 0570-02-9999 / ローソンチケット 0570-00-0777 / イープラス
お問い合わせ:HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999

鈴木正人/Suzuki Masato

1971年6月ベルリン生まれ。
ベーシスト/アレンジャー/プロデューサー。1987年、高校在学中にLITTLE CREATURESを結成し、90年にシングル「THINGS TO HIDE」でメジャーデビュー。その後渡米し、バークリー音楽院に入学。帰国後、バンド活動と平行して、ベーシスト、プロデューサーとしても活動。これまでに手掛けたアーティストはUA、ハナレグミ、畠山美由紀他多数。
2005年3月には、文筆家の内田也哉子(vo.)とCOMBO PIANOの渡邊琢磨(P.)と「sigh boat」を結成し、1stアルバム『sigh boat』をリリース。同年7月には、LITTLE CREATURESの約4年ぶりとなる新作『NIGHT PEOPLE』をリリースし、同月に池上本門寺・特設野外ステージにてデビュー15周年記念イベントを行った。人と人、音と音を繋ぎながら、シーンにおけるキーパーソンとして、その存在感を高めている。 2006年11月22日には、自身初となるソロアルバム『UNFIXED MUSIC』をintoxicateレーベルよりリリース

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