私のおすすめの一枚は、『Bossa Queen』。ふと、Cafe Musicが聴きたくてボサノヴァを探していたところ、この一枚に出会いました。まったりとした雰囲気と、温かみのある曲調、どの曲も大好きになりました。漠然と、何かボサノヴァを聞きたい! と思う方にはおすすめ。アコギと一緒に語るように歌う最初の一曲、『LOVE OF MY LIFE』は特に私の中のヒット曲です。
アロマキャンドルを灯してムーディにしてみると、可愛いカクテルなんかを飲みたくなったり、お洒落にワインをゆっくり楽しんでみたくなります。コーヒーブレイクやデスクワーク中のちょっとした合間など、気分転換にぴったりで、とてもリフレッシュさせてくれる一枚です。
私たちクラシックの演奏家はクラシックのCDを聴くときにどうしても集中してしまって、聞き流すということは、あまりありません。クラシックは癒し! と皆さん思うかもしれませんが、ご存知のモーツアルト、ベートーヴェン、メンデルスゾーン、どの曲もふたを開けてみると、そこには壮絶なドラマがあります。
私は今、オーストリアのザルツブルグというところに住んでいますが、モーツアルトの生誕の地として街はモーツアルト一色です。私もよく出演するザルツブルグでのコンサートは、ほとんどモーツアルトの曲ばかり。残念ながらモーツアルトはチェロの曲を書いてくださらなかったけれど、素晴らしい室内楽曲が沢山あります。そこで演奏し感じたことは、何よりもモーツアルトの曲に沢山の“驚き”が隠されていること。それは主にハーモニーの中に隠されていて、ハーモニーの主格にあたるバスをチェリストとして操ることは喜びであり、「癒し」とはほど遠いほどドラマに富んでいます。

ということで、私にとっての癒しの一枚はこの『Bossa Queen』です。コンサートの前に楽屋で流してリラックスしたり、頭をからっぽにしたりするにはボサノヴァのリズム、悪くないですよ! 音楽があるだけでその場所の空気があっという間に変わってしまいますから本当に不思議ですね。
(text / mari endo)
歌姫ジョイスやボサノヴァ創成者のひとり、ロベルト・メネスカルといったブラジルを代表するアーティスト達がクイーンの名曲をボサノヴァ・カヴァーしたコンピレーションアルバム
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遠藤真理/mari endo
チェリスト。3歳よりチェロをはじめる。東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て、同大学を首席にて卒業。2003年第72回日本音楽コンクールで第1位および徳永賞を受賞、ほか受賞歴多数。2006年9月には本格的にリサイタル・デビュー。2005年エイベックスよりデビューアルバム「ジャクリーヌの涙」をリリース。2005年より、ザルツブルクのモーツァルテウム音楽大学に留学。今後の活躍が大変楽しみな若手チェリストの一人である。
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