アメリカ、特に私が住むNYは空気が変わっていくのを肌で感じる。そう、オバマ大統領に就任してから、いい空気。私の中にもいい風が吹いている。
世の中は不況モード。社会にいい繋がりがないから、バランスを崩して、不況とかが起こっているのだと思う。その失った意識を埋めたり、繋がりをつくるのが、音楽、芸術のひとつの役目だと考えてる。
ブルックリン発MGMTの『ORACULAR SPECTACULAR』は2008年夏の思い出の作品。ザ・ユース、タイム・トゥ・プリテンドを聴いていると涙が流れた。熱くなってきて、ジャクソン・ハイツやバッファローダンスという曲を書いた。
『ORACULAR SPECTACULAR』とは、直訳すると、“神がかり的な(ハッタリめいた)超大作”。超個性的な極彩色のサイケデリック・サウンドは新感覚。知的な遊びとアイデアに満ちたMGMTの価値観はまさに「We can change!」の波動を起こした。彼ら若者の力が、インターネットでのオバマ・ネットワークの力になり、オバマ氏に大きな資金をもたらした。60年代後半の若者は、戦争反対をして、体を使ってデモなどをしたけど、現代の若者は、逆に、極力スマートに、クールに、大人が作ってきた社会を見ているのではないか思う。彼らはもっといい社会を作って行けるって、私は確信する。キャピタリズムの風に芸術が負けっぱなしでなく、今こそ、エキサイティングでユニークな音楽や芸術が生まれてきたNYの原点に立ち戻り、そこから新たなクリエイティブが誕生する時期なのだ。

だって、私達はオバマ氏を大統領にしたし、社会を動かした。それ以上に、素晴らしい曲を作れる若者達がいる。私もその一員になりたいと今日もNYで生きていく。良いものが生まれそう! では、物足りない。風の素があるなら、吹き起こしたい! だって、いつも壁を破って進みたいから。音楽は、その壁を破る糸口、乗り物になる、形而上学なシステム。諦めなければ、パーティが待っている。
by miho hatori(interview / noriko honma)
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3曲目の「Out of My Addiction of Love(恋愛中毒)」でドリーミーなトリップを、8曲目「Mind Wall(思考の壁)」では小山田圭吾のギターと共にアルバムのハイライトを飾る。
「自称養老マニアの私。養老孟司のベストセラー『バカの壁』『死の壁』、彼の身体論とか、都会派、田舎派という脳の見方に影響を受ける。哲学的なことを、どうやってポップにするかにやりがいを感じるけど、実は大いに悩み、考える。音楽ができた時、その苦労や難しさが出てたら最低!! と思いながら作る。消化不良なのって気持ちよくないですよね? 単純に音と言葉のノリや、テンポが気持ちいいから、好き! と思われたら嬉しい。後からスルメのように、多様な聴き方で噛み締められれば。自分が作った作品が、あなたの壁でも何でも破るきっかけになったり、こうゆう世界があってもいいよねと思える幅を提供できればいいな」by Miho
テイトウワ『BIG FUN』 ¥2,800 コロムビアミュージックエンタテインメント
聴けば思わず元気になる、羽鳥美保の初ソロアルバム
本人曰く「いつも突っ走って、一歩下がることをしなかったのに、初めてそれをした作品」。日本が世界に誇るキュートでクリエイティブなMihoのソロは必聴。
羽鳥美保『Ecdysis』 ¥2,625 ビクターエンタテインメント
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羽鳥美保/Miho Hatori
NY在住のアーティスト。日本の音楽シーンに衝撃を与えた音楽ユニット「チボ・マット」のひとり。ソロとして、「ビースティ・ボーイズ」のアルバムや、バンド「ゴリラズ」へ参加。「ベック」のギタリストとの音楽ユニット「スモーキー&ミホ」で活動するかたわら、2005年にはソロ・アルバム「Ecdysis」を発表。日本国内では日暮愛菜のプロデュースやUAヘの楽曲提供のほか、映画『神童』の音楽を担当するなど、活動は多岐に渡る。現在、ライブ活動をしながらニューアルバムを制作中。「超半人前の(苦笑)未来派な態度に戻って、実験段階です」。
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