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freeTEMPO,Life

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美しいメロディーラインとエモーショナルなリズム。クラブDJ出身ながら、その卓越した音楽センスでクラブミュージックという枠をかるがると飛び越えてきたサウンドクリエイター・半沢武志ことFreeTEMPO。前作『SOUNDS』から2年半、近年は映画音楽を手がけたりロックフェスに出演したりと活動の幅を広げていた彼が、2010年3月に待望の新作をリリースするとともにFreeTEMPO名義での活動終了を発表した。新作のタイトルは『Life』。最後のアルバムとなったこの一枚にどんな思いが込められているのか、本人に話をきいた。

「すごいアルバムが完成して、満足しちゃったんです」。
活動終了の理由をたずねると、シンプルな返事をくれた。
「今回の新作を作り始めたころは最後だなんて思ってなかったんですけどね。いいものができそうだっていう自信が制作を進めていくうちに確信に変わると、FreeTEMPOとしてはもうこれで十分なんじゃないかと感じて」

奇しくも、新作のキャッチコピーは“自分を歌にした”。最後になるとは意識せずに、自身の人生観を音楽で表現するという総括のような作業に挑戦したのだという。
「デビューしたばかりのころはFreeTEMPOが何者なのかもわからずにとにかく前へ進んでいたけれど、評価してくれる人がいたり、出会いに恵まれたりで10年経っちゃった。振り返ると、この10年間で出会った人や運や偶然、すべてまとめてFreeTEMPOだったんじゃないかという気がしていて。いまこうして周りが見えるようになって、満足のいく作品ができたことですごくやりきった感がありますね」

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『Life』を聴いた印象はこれまでのアルバムとは少し異なる。多彩なフィーチャリングアーティストの起用や打ち込み主体のスタイルはそのままながら、AORやR&B、ロック、ラヴァーズ・ロック風など、より幅広い音楽の要素をちりばめ、もはやクラブサウンドと呼ぶのをためらってしまう。

「ずっとクラブベースでやってきたので、どうしても4つ打ちのパターンから抜けられないところはあります。でも、本来僕は音楽にかんしては雑食だし、いろいろな表現を試してみたかった。今回、クラブミュージックは自分の音楽性のひとつに過ぎないんだと思えたことで、それが実現したのかな。たとえば『Life』でいうと、よく聴いていたステファン・ビショップの生っぽいサウンドに影響されてるなって感じたり。これまでの雰囲気は残しつつ、新しいサウンドを取り入れてうまくまとめられたと思います」

今回のアルバムには、タイトルの通り「Tomorrow」や「Family」など、日常や人生にかかわることをテーマにした曲が並ぶ。自然や動物など外の世界をテーマにした前作から一転、今回はあえて自分を表現したパーソナルなものがほとんどだ。
「たとえば『Family』は自分の家族の歌。やすらげるような、ゆるやかに過ぎる時間のようなイメージの曲。『My Song』はタイトルのまんま、完全に自分の歌。自分で歌っていることもあって思い入れが強いですね」
そう、another side名義ではあるものの、今回は本人がヴォーカルとしてクレジットされているのもいつもと異なる点。同じく彼自身が歌っている「Time Machine」についてはこんなふうに語ってくれた。

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「『Time Machine』は過去・現在・未来を感じられるような曲。Lifeとは人生であり、時間のことでもある。僕が生きてきたのはたかが33年間かもしれないけれど、その時間を音楽で表現したというか。これを作っているときに思ったんだけど、10年前からずっと、FreeTEMPOは無意識のうちに時間を曲にしていたのかなぁって。FreeTEMPOって名づけたときは自分はマイペースだからと思って安易な気持ちでつけただけなのに、もしかしたらFreeTEMPOってタイムマシーンのことだったのかなぁって。この『Time Machine』が最後のアルバムに入ったのは偶然だけど、不思議な気分になりました」

最後に未来のことを少し。
来年からも、半沢武志はかたちを変えて音楽をつくり続ける。
「これからは半沢武志としてオリジナルやプロデュースをしつつ、メインでバンドをしたいなぁとぼんやり考えています。次はひとりではできなかったことがしたくて。バンドって複数の人間が集まって、みんなのアイデアや音がまざってひとつの曲になるじゃないですか。そのとき、その場所でしか生まれない、そんな未知の音に出会いたいんです」
どんなスタイルのバンドになるか思案中だというが、この夏、FreeTEMPOとしての最後のツアーでその片鱗を垣間見れるかもしれない。
「夏くらいに『Life』のツアーとかけたライブをする予定なので、そのときに何らかの形をお見せできればと思っています。楽しみにしていてください……って、僕自身がいちばん楽しみにしてるんですけどね(笑)」

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現在、過去、未来。時間を音楽で自由に表現してきたFreeTEMPO。
彼の頭の中には、まだ見ぬ未来の自分が生み出す“未知の音””が響いているにちがいない。

(photo / shiori kawamoto)

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今年でデビュー10周年を迎えるFreeTEMPOの2年半ぶりとなるオリジナル最新作。“自分を歌にした”をコンセプトに、自身の人生観を音楽で表現することに挑戦した今作は、FreeTEMPO名義での最後の作品になる。打ち込み主体のサウンドはそのままに、AOR、JAZZ、SOULなどさまざまな音楽の要素を散りばめた心地よい楽曲の数々には、Tahiti 80のフロントマン・Xavier Boyerやキリンジの堀込泰行、blanc.、畠山美由紀など国内外のバラエティ豊かなヴォーカリストが参加。いわゆるクラブ・サウンドとは一線を画す作品に仕上がっている。

FreeTEMPO『Life』 ¥3,000 POCS-1031
発売元:ClearSound

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FreeTEMPO/フリーテンポ

仙台を拠点に音楽活動を展開するサウンドクリエイター・半沢武志のソロプロジェクト。2003年にリリースした1stフルアルバム『The world is echoed』がほとんどプロモーション活動を行わなかったにもかかわらず爆発的なヒットを記録。2005年にリリースされたミニアルバム『Oriental Quaint.』などが軒並みヒットを記録し、日本を代表するクラブサウンドアーティストとして認知されていった。2007年には2ndフルアルバム『SOUNDS』がオリコン20位をマーク。クラブ系アーティストの枠を超えてミュージシャンとしての地位を確立した。近年ではフジロック'08への出演、韓国での活動、さらに映画音楽も手がけるなどと幅広いフィールドで活躍していたが、2010年春、FreeTEMPO名義での活動終了を発表。今後の動向に注目が集まっている。


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