

近ごろ、とつぜん花粉症の症状がでた、という人が多くないだろうか? 世界保健機構(WHO)は地球温暖化の影響を受けて、「今世紀末までにアレルギーや喘息、皮膚疾患などの健康被害が増える」との見方を示した。そして年追うごとに増える「異常気象」。地球温暖化の影響は日常生活の中でさえも感じられるようになってきているようだ。
そして2008年7月に日本の北海道、洞爺湖でG8(主要8カ国首脳会議)が開催される。主要先進国間で地球温暖化防止策の具体的な合意がなされるか否か、ということに注目が集まっている。日本は環境問題でリーダーシップを図ろうとしていることもあって、今回日本で開催されるG8では結果を残したいところである。6月初旬に来日したフィンランド首相は法的拘束力のある温暖化対策を日本に求めたほどだ。
日本は京都議定書の締結より環境問題に積極的に取り組んできたが、アメリカ発の映画「不都合な真実」をきっかけに、一般的にも地球温暖化問題への関心が深まっている。しかし、当のアメリカ政府は環境問題に対して懐疑的である。つい先日、アメリカの上院で国内の温室効果ガス排出削減を求める「リーバーマン・ウォーナー法案」という、超党派で提案された法案の採決が行われた。結果は審議の継続に必要な賛成票が足りず、事実上の廃案となった。反対の主な理由が、原油高を前に企業や消費者の負担を懸念する声が多かったためだとういう。
ところで今年、ノルウェーのスバルバル諸島のスピッツベルゲンで「Svalbard Global Seed Vault(スバルバル世界種子貯蔵庫)」の運営が開始した。この施設は天災や人災から食糧用の種子を守ることを目的としている。種の多様性を維持するために、何らかの理由で自然環境からその植物が失われた際には種子の所有国が返還を求めることができるそうだ。
いつか地球温暖化の影響で気象異常が悪化し、ある種類の種子が絶えてしまい「箱舟」を活用する日が訪れるのか。アメリカでは、地球温暖化は環境保全主義者が資金集めのために市民を怖がらせるための誇張した学説にしかすぎない、との懐疑派の見解もあるようだが、しかし種の絶滅が始まってから環境問題に取り組んでいては遅すぎるのである。
◆北海道洞爺湖サミット
◆「温暖化で花粉症!?」読売新聞より
◆「地球温暖化の目撃者たち」世界自然保護基金(WWF)より
◆Svalbard Global Seed Vault (SGSV)
次の世代、そしてそのまた次の世代の子どもたちが受け継いでいく地球が安心して住むことのできる土地であり続けるよう保障することは大切ではないのか? この先「箱舟」を使う日が来ないことを願うばかりである。そのためにも次の洞爺湖でのG8サミットには是非とも関心を寄せたい。
丹羽 康子/ Yasuko Niwa
英国オクスフォード大学で国際関係学を専攻し修士号取得。政治だけではなく金融知識も身に付けたいと帰国後、外資系証券会社に勤務する。日経CNBCにて経済キャスターを経た後、現在は茶道家としての活動をすすめる側ら、金融教育やキャリア教育などの講演でも活躍中。








