ベルリンは昔も現在もアーティストの街である。

アーティストの街だけあって美術館やギャラリーの数はおびただしい。ご存じ世界遺産でもある博物館島を中心に、国立の美術館・博物館は 33館もあり、国立以外を含めると150もの数が市内に散在している。
国立の美術館・博物館に限っては、数年前まで毎月第一日曜日が入場料無料の日であったが、現在では毎週木曜日の閉館時間4時間前から無料になっており、その日は特別に閉館時間も22時まで延長している所も多いので、随分利用しやすくなった。
仕事や夕食を終えてからのんびり美術鑑賞に行く人も多いはずだ。
他にも美術館での楽しみは、ミュージアム・ショップ、専門書店やカフェなどがある。ショップではオリジナルグッズもあれば、プレゼントにちょうどいい気の利いた雑貨も並ぶ。書店には、一般書店でお目に掛れない専門書が揃い、週末は特に書店目的で美術館に足を運ぶ人も多く、賑わいをみせる。美術鑑賞、ショップ、書店を回ったあと、疲れた足を休めるには併設するカフェがちょうどいい。ケーキはもちろんのこと、軽食を用意しているレストラン・カフェもあり、それぞれの館のカフェを食べくらべるのも楽しいかもしれない。

→ドイツの国立美術館・博物館情報はこちら


ギャラリー散策といえば、旧東側のミッテ地区の Auguststrasse(アウグスト通り)周辺だ。静かな裏通りだが、無数のギャラリーがそこここに散らばっている。
旧西側のSavigniplatz(ザビーニ広場)周辺のギャラリーでは確実性を追う傾向が強いが、ここミッテ地区は無名の若手アーティストの開拓に積極的なギャラリーが多い。

そんなギャラリーのひとつ、「Joachim Gallery」(ヨアキム・ギャラリー)は日本人ギャラリストの森智佳子さんが経営する。ギャラリーはオープンしてまだ1年ほどだが、日本人アーティストの作品展示も多く、展示会によってはオープニング・パーティーで音楽の生演奏を楽しめることもある、アットホームな雰囲気が漂うギャラリーだ。
森さん自身がとても人情あふれる魅力的な方なので、それが自然とギャラリーの個性にもなっている。「周辺のギャラリスト間でも情報交換があり、とても気さくな雰囲気。ベルリンは現代アートに対して、とてもオープン。」と語ってくれたのは森さん。散策の際にはぜひ、森さんセレクトを観に足を運んでみてはいかがでしょう。(Joachim Gallery:www.berlineye.com
そしてベルリンの若手アーティストが軒を連ねるのも、やはりミッテ地区のAuguststrasse 近くにある「TACHELES」(タヘレス)だ。

この建物はかつて1909年に巨大デパートとして建設され、1928年からは電気会社AEG社の”科学技術ハウス”として使用された。その後、第二次世界大戦の空襲でほとんど破壊されてしまった中、唯一建物の一部が残った。DDR(旧東ドイツ)時代は、廃虚状態が数十年にわたって続いた後、さまざまな用途に使用されたが、80年代には取り壊しも進み、現在残っている右側面のウィングだけとなった。

90年代には全建物の解体の危機をまぬがれ、現在では文化財として登録され、30室をアーティストのアトリエとして解放している。アトリエは選考を通ったアーティスト達に、6ヶ月から1年のスパンで貸し出しているため、時期を経てさまざまな国際色豊かな若手アーティストの作品に触れることができる。週末には、イベントや展示会も深夜遅くまで開催されている。歴史が刻まれた巨大「TACHELES」、破壊的な存在感には圧倒される。建物に足を踏み入れるだけでも価値はあるかも!?(TACHELES e.V.:super.tacheles.de/cms/
( text & photo / ayako hase
 
 

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