メイン会場での「ドイツデザイン」の展示風景。
メイン会場での「ドイツデザイン」の展示風景。
シティ編、若手デザイナーのグループ展 シティ編、若手デザイナーのグループ展
Design デザイン事情
世界のデザイン史を語るうえで、ドイツの「バウハウス」を外すことはできない。

「バウハウス」は1919~1933年にワイマールに存在した総合造形学校だ。それまで、別個だった芸術と産業を結び付け、近代社会に適応した新しいかたちの芸術家(今日でいうデザイナー)の育成を目指した。その理念と活動は、ドイツの境界を超えてあらゆる造形の分野に大きな影響を与えた。しかし、たった14年の歳月を経て、ナチス政権によって閉鎖させられる。その後、世界そしてドイツ国内に散っていった「バウハウス」の教授陣や学生たちが、各地でその理念を後継していった。ドイツでは、戦後に設立された「ウルム造形大学」(1953~1968)がその理念を継承し、デザインの分野では、機能主義、直線的でシンプルなフォルムと控えめな色彩、得にシステムの概念を強く打ち出した。とりわけ学生と企業の共同プロジェクトにも積極的に取り組み、その成果はドイツデザインを代表するものであり、ルフトハンザ航空のコーポレート・アイデンティティーやブラウン製品などがある。現在ドイツで活躍するプロダクトデザイナーの多くは同大学の理念を継承しており、その背景には必然的に「バウハウス」の伝統が流れている。得に若手デザイナーたちは、これらの流れを根底に持ちつつ、独自のスタイルを確立しようとする意識が強い。

DESIGNMAI
そんな若手デザイナーたちの活動に触れる事ができるのが「DESIGNMAI」だ。ちなみに「MAI」とはドイツ語で5月のこと。この「デザインマイ」はその名の通り、毎年5月上旬にベルリンで開催される唯一のデザインイベントだ。今年で3度目とまだまだ歴史は浅いが、展示会はもちろんのこと、イベント、レクチャーやシンポジウムなどさまざまな催しが開催される。また参加デザイナーと来訪者の距離が近く、アットホームな雰囲気が漂うのは、ベルリンならではの特徴と言えるかも知れない。年々、国際色豊かになりつつあって、今年は日本で「ドイツ年」という事もあり、そのプロジェクトの一環として、交換プログラムで招待された日本人デザイナーたちのレクチャーも行われた。ドイツデザイナー陣の日本での交換プログラムは10月6日~23日「ヒルサイドフォ-ラム・プラザ」で開催される。詳細は、www.doitsu-nen.jp にて。(DESIGNMAI:www.designmai.de



今年の「デザインマイ」での「イスラエルデザイン」の展示風景


Universitat
またドイツでは大学が広く一般の人々に開かれている。ベルリンには美術大学が2校あり、1校は309年の歴史を持つベルリン芸術大学、もう1校はヴァイセンゼー美術大学だ。ヴァイセンゼー美術大学は、創立59年とドイツではまだ歴史の浅い新しい大学に分類されるが、バウハウスの理念をしっかりと受け継いだ大学である。これらの美術大学では、一般公開日(文化祭)を始め、学生たちの展示会や音楽学部の学生のコンサート、その他レクチャーやシンポジウムなどが、一般に向けて数多く開催されている。美術館や劇場で鑑賞するのとは、また違った面白さがある。また、学生は他の美大の授業の参加や編入も可能で、それらの決定権は大学にあるのではなく、全ては教授や担当者にあるため、これらの機会は、参加したい講議やプロジェクトの担当教授とコンタクトを取ったり、交渉する絶好のチャンスでもある。教授や担当者から直接許可されもらえれば、本当にいろいろな可能性が広がる。現在私も個人のプロジェクトを進めるために、ヴァイセンゼー美術大学の工房に通っている。というのも、工房責任者に相談しにいったところ、客員生(聴講生)として工房を使わせてもらえることになった次第である。このように開かれた大学や教育のシステムは本当に素晴らしいものであり、特にベルリンは人とのつながりや助け合いを大切にする街であるゆえ、やる気さえあれば、可能性はどんどん広がっていくのである。

ベルリン芸術大学 www.udk-berlin.de
ヴァイセンゼー美術大学 www.kh-berlin.de/khb-neu/dverz4

( text & photo / ayako hase




ヴァイセンゼー大学正門。
ルッツのインスタレーションより Fashion ファッション事情
ベルリンの壁が崩壊した1989年―新しいドイツのファッション界を築きあげたのは、90年代に台頭してきた若者文化。新しいスタイルを次々と生み出していく、自立的でシャープなドイツ的ファッションスタイル。

先日、moDE! ファッション・クリエイターズ FROM GERMANYドイツ新世代のファッションデザイナーとそのスタイルの展覧会が代官山のヒルサイドテラスにて開催された。ドイツ的なるものをテーマに、9組のファッションデザイナーが展開するインスタレーション、そして今後の活躍が期待される、ドイツの若手クリエイターたちが“東京”をテーマに、作品を展示した。それに伴い、展覧会前日には9組のドイツ新世代のファッションデザイナーが来日。彼らのインスタレーションは、ドイツ的なるものを表現しているものもあれば、独自のスタイルによるインスタレーションであり、そこから彼らがそれぞれに思うアイデンティティを感じとることが出来る。ベルリンをはじめとするドイツ全土に世界中が注目しているなか、ドイツのファッション界にも新しい風が吹いているようだ。
( photo / pawel jaszczuk )

ルッツのインスタレーションより

写真左からブレスの二人組、ルッツ、ベルンハルト・ヴィルヘルム、コスタス・ムルクディス、ダーク・ショーンベルガー、マルクス・ルプファー、フランク・リーダー、シュテファン・シュヴァルツ、ステファン・シュナイダー、今回の展覧会キュレーターのセバスチャン。 写真左からブレスの二人組、ルッツ、ベルンハルト・ヴィルヘルム、コスタス・ムルクディス、ダーク・ショーンベルガー、マルクス・ルプファー、フランク・リーダー、シュテファン・シュヴァルツ、ステファン・シュナイダー、今回の展覧会キュレーターのセバスチャン。
STEPHAN SCHNEIDER
ステファン・シュナイダーのインスタレーション ステファン・シュナイダー
ステファン・シュナイダー。1969年デュースブルグ生まれ。コレクションは全て手作業によりベルギーで製作されている。今回の彼のインスタレーション「ドイツ14の嘘」の前で。現在はベルギー在住。



BERNHARD WILLHELM
ベルンハルト・ヴィルヘルム ベルンハルト・ヴィルヘルム。1972年ウルム生まれ。独特のフォルムと独創的なプリントは日本にもファンが多い。音楽はヒップホップがお気に入りだとか。現在はパリ在住。
2005秋冬コレクションから
ベルンハルト・ヴィルヘルムのインスタレーション
お問い合わせ先:バスストップ プレスルーム tel03-3522-9440

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