le gout de la France
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  Patisserie
フランスは、どんな分野においても伝統的でクラシカルなイメージが強い。ましてや“職人”業界では尚更のことである。

例えば、最近では、日本でも頻繁に流用されるようにったパティシエ(ケーキ職人)。彼らたちは、10代から修行を積み、有名菓子店のチーフ・パティシエに昇格し、若くて30代にして、自らの店を経営するケースが多い。今回ご紹介するパティシエの力作は、そのバックグラウンドもさることながら、一肌脱いだ手法や味覚への追求が興味深い。
stef

フランス東部ナンシー市にチョレート&菓子店Stefを構え、熱く職人気質を守るステファン・マルシャル(以下ステファン・M)。パリでデザイナーとして活躍するステファン・ビューロ(以下ステファン・B)とは同郷であることから、昔からの縁がある。店のインテリアとショーウィンドーをステファン・Bが手掛け、ケーキデザインにも専念してきた。

ここ数年間で、オリジナル商品は多数ある。それにプラスして、街をあげての記念ケーキまで、そのバリエーションは目白押しだ。

2005年6月、ナンシー市内の名所でもある歴史建造物、スタニスラス広場が250周年を記念してリニューアルオープンされた。フランス大統領シラク氏も出席した大イベントである。そのためにデザインされた特製ケーキJean Lamour(ジャン・ラムール:ルイ15世に仕えた金具職人)は、大統領も吟味された。
ステファン・ビューロ & ステファン・マルシャン

基調色に黒と金を用いているのは、建築様式や素材を意識しているからである。ベースになる4本の木組手法の黒部分は、チョコレートとさくさく感を残したプラリネをブラックチョコレートで包んでいる。その上に置かれた金のアカンサス葉は、18世紀を象徴する装飾でもあり、アーモンドムースとハチミツを薄いホワイトチョコレートで固め、金スプレーでフィニッシュしている。

「味覚に例えた黒は、強さと堅さを意味し、金は甘味とやわらかさを表現する。」とステファン・Bはコメントする。このコメントの裏には、相反する仕掛けが隠されていることを意味している。

尚、今回ご紹介しているケーキは、どれも店頭には並んでいないので、2日前に予約を入れておくことをお勧めする。
cafe de la Paix
ここは、パリ・オペラ座広場に面したグランド・ホテル。18ヶ月間の全面的な改修工事を経て、2003年末にリニューアルオープンしたインターコンチネンタルグループのホテル内には、レストランとカフェが併設されている。ここで一押しのデザートは、Cinq Cents Feuille(サンクソン・フョイユ=500葉の意)。

昔からお馴染みのMillefeuille(ミルフィーユ=1000葉の意)ケーキの名称をもじっている。このようなユニークな発想を提案したのは、若干34歳のパティシエ・シェフCarl Marletti(カルル・マルレッティ)である。
服飾デザイナーAgahta Ruiz de la Pradafが考案したCin Cents Feuille

今年4月より、創作的なサンクソン・フョイユを手掛けてきており、単にミルフィーユをハーフ・サイズにした姉妹品であるのだが、小さいからと侮ってはならない。姉ミルフィーユの気品と魅力を受け継いで、妹サンクソン・フョイユは何ともコケティッシュでチャーミングである。バタークリームとカスタードクリームをホイップしたバニラ味。パステルカラーをイメージしたキイチゴとバニラ。チョコレート&カカオ。コーヒー風味。スパイシーなシナモン味などが展開されている。

6月より期間限定の味覚にも遭遇する。音楽祭をイメージした2種類のチョコレートのハーモニー。

そして、待望の秋のサンクソン・フョイユは、スペイン人のファッション・デザイナー アガタ・リュイズ・ドゥ・ラ・プラダがイメージした。彼女のデザインする服飾世界の色彩を、味覚で表現したものである。オレンジ色のハートのグラフィックが砂糖で固められたトップより、断層分解してみると、チョコレート、キイチゴ、オレンジクリームの3層が、何ともカラフルである。

「ファッションデザイナーでありながら、建築、アートなど幅広い分野に興味を持っているわ。食べることは大好きだけれど、決して料理上手ではないの。でも、今回の経験はとても貴重だったし、多くのデザイナーが最近では“食”をテーマにした内容に着手しているし、異業種がコラボレーションすることは、今後の創作活動にとっても大事。消えてなくなる“はかない芸術”に魅力を感じるわ。」とアガタはコメントする。

( text:Kaoru URATA
line up


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