「こんなときはどうしたらいいの?」「ここでこんなことしても大丈夫?」など、マナーについて困るシチュエーションは何かと多い。自信がないと、ついついやってしまいがちなのが、エレガンスとは程遠いNGマナー。そこで世界共通マナー<プロトコール>のプロフェッショナル、畑中由利江先生(エコール ド プロトコール モナコ代表)に、日本人がついやってしまう失敗と、すぐに実行できるシチュエーション別綺麗の心得を教えていただいた。先生からのアドバイスをもとに、今日からはもっと綺麗な自分に近づいてみてはいかが?


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日本人旅行客に多いNGマナーのひとつが、お店に入っても無言というもの。高級店にはたいていドアマンがいて、来客に挨拶をしています。ところが、外国語に自信がない人は、つい伏目がちになって、黙って入店する傾向が。それは欧米ではとても奇妙に映ります。挨拶もしない、目も合わせない人=怪しい人物と見なされて、店員さんがずっと監視して回るという事態にも。例え外国語ができなくても、旅行先の国で使われている言葉で挨拶ぐらいは言えるようにしたいもの。もしくは、会釈をするだけでも違います。
また、商品を見たいときは必ずお店の方にひと声かけてください。勝手に手に取るのは、高級商品に傷をつけてしまう恐れがあるだけでなく、大変失礼な行為です。スムーズで気持ちの良いお買い物のために、心がけたいことのひとつです。

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パッケージツアーに参加したときなどは、観光の後の空き時間に急いでブランドショップへ、ということもあるかもしれません。ただ、高級店というのは、もともと限られた人々のための店。そこへ、1日観光を終えてそのままの、あまりにカジュアルな服装で入るのでは、場にそぐわないというもの。敬意ある対応を希望するなら、高級店でのショッピングを予定している日には、時間に余裕を持ち、きちんとしたファッションで出かけるべき。
そうした心がけひとつで、お店の対応も大きく変わってきます。中には、自信と余裕のある態度、服装を心掛けてショッピングに出かけたところ、他のツーリストが大騒ぎで買い物する中、特別にVIPルームに通され、一流のサービスを受けたという経験がある方もいますよ。
ショッピングもコミュニケーションのひとつ。お店に相応しい身なり、振る舞いを心がければ、例え言葉が通なくても心は通じます。高級ブランド店からも歓迎されるようなコミュニケーションを心がけましょう。もちろんこれは海外に限らず、日本でも同様です。
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高級レストランで起こしてしまいがちの失敗で、筆頭にあげられるのが場違いな服装です。レストランには格がありますが、それに応じて相応しいファッションが変わってきます。一流のお店にドレスアップして行けば、最も注目を集める中央の席に案内されます。この席に座る人が素敵なほど、そのレストランは「さすが」と言われるもの。
反対に、そぐわない格好をしていれば、本人はもちろん、お店、そして他のお客様が気まずくならないようにと、目立たない端の席、厨房近くの落ち着かない席などに案内されてしまいます。ですから、憧れのレストランに行く際は、格や雰囲気を事前にチェックしておくことをおすすめします。お客様をお招きする場合、下見をしておくのは当然ですが、予約を入れる際に、お店の対応などをチェックしておくことも大切です。もちろん、お客様より前に到着しておくことも忘れずに。

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レストランに限りませんが、サービスを受けたらきちんと感謝の意を表したいものです。ワインを注いでもらったとき、お料理を運んでもらったときなど、お店の方に「ありがとう」とひとこと言葉をかけてみてください。こちらが客なのだからと威張ったような態度は見苦しく、テーブルのムードも壊してしまいます。
美味しいお料理の後、お皿をさげてもらうときに「美味しかったです」と笑顔で伝えれば、サービスがより良いものになることは多いです。初めて行ったお店でも、少しぐらい無理なお願いも聞いてもらえたりすることもあるほどです。また、綺麗なお料理が登場すると、つい写真にとって思い出に残したいと思う方もいるようですが、それは上手なお料理の楽しみ方とはいえません。お料理は最高の状態のときにいただき、味わうことが最大の楽しみだということを忘れずに。
テーブルマナーは大切ですが、マナーは自分の振る舞いに自信を持つためのもの。美しい姿勢を保ち、優雅に堂々と、そして自然に振舞うことができれば、多少の間違いは目立たないものです。まずは「お料理と会話を楽しむ」という、その場にいる目的を理解し最大限楽しむことが何より大切です。
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日本人は、オンとオフ、昼と夜、というメリハリのある生活を送るのが下手な国民。欧米では、生活の中でオンとオフの使い分け、切り替えを楽しむ習慣ができているので、ぜひそれを見習いたいもの。特にファッションの切り替えは参考に。
ヨーロッパでは定時に仕事が終わるのは普通。それ以降は、プライベートを楽しむ時間です。友達と食事をする、劇場に行くなど、ドレスコードのあるシーンも多いので、肌の出し方、アクセサリー使いなども昼と夜では大きく変わります。昼間は派手過ぎないもの、夜は自分の美しさを存分に引き立てる華やかなものというように。たとえば、アクセサリーは昼なら控えめなパールを、夜は光を放つ大ぶりの石などを使って、違ったおしゃれを楽しみます。いざというときに困らないためにも、自分を知る、似合うものを知ることも大切なことです。
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定時に仕事が終る欧米では、夜、携帯に仕事関係の電話が入るということはありえません。夜8時以降になれば、良く知っている友人からでもよほどのことがない限り電話がかかってくることはまずありません。
フランス人の夫は、私の携帯が夜10時以降に鳴ると「こんな時間にいったい誰?」と言うほど。日本では普通のことですが。
もちろん、レストランやお店など、公共の場で大きな声で話をするのはエレガントではありませんし、周囲にも迷惑。携帯のマナーについては、海外より日本の方が進んでいるという印象ですが、欧米ではオフの時は電話を持たないことも。それを見習うもの、メリハリのある生活への第一歩かもしれません。
ファッションもマナーも基本がわかっていると、状況に合わせていかようにも対応できます。ただ、外出先やパーティでの着こなしや振る舞いだけが綺麗の基本ではありません。誰にでもすぐに実行できる綺麗のヒントは、日常生活の中に隠されています。まずは、何よりも正しい姿勢を心がけて。美しい姿勢を保つだけで、エレガントさがぐんとアップしますよ。
