だって、そのほうが説得力があるし、ジョークにならずにすむから。アンディをいわゆる田舎娘風に仕立てることでファッションをジョークにすることは簡単。でも、それでは業界人っぽい態度をとることになってしまうと感じたの。この映画ではそれは避けたかった観客は幅広いから、作品を業界人だけでなく、一般の観客にも楽しんでもらいと思ったの。シンプルな女の子がファッション誌の編集部に入り、そのクローゼットから選んだ国際的な一流ブランドを身に着けるようになるという対比を表現したかった。こんな風に、アイディアはシンプル。変身後のファッションは、アン・ハサウェイに似合いそうな有名ブランド服を探したの。皆さんに楽しんでもらえるファッションをね。きっと観客の皆さんも、シャネルのようなブランドを見つけることができるはずよ。」

業界人っぽくなり過ぎないように努めたというパトリシアの意図とは、実は映画の成功をひたすら願うプロ意識から生まれている。「私自身、ファッション映画をいくつか観てきたけれど、どれもそれほどの成功を収めていないわ。その理由はたぶん、ファッションに関しては視点が業界に寄り過ぎたということ。観客にとっては別世界のことになってしまったのね。アナ・ウィンター(アメリカン・ヴォーグ誌の名物編集長)という名前を聞いたとき、業界以外の人の中で、誰だか言い当てられる人はどれだけいるのかしらと自問したの。ミランダ・プリーストリーは大物編集長。そのキャラクターを素直に創造したかった。だから、メリル・ストリープがキャスティングされたと知ったときは嬉しかったわ。だって、アナ・ウィンターに少しも似ていないから。自分たちで全く新しいキャラクターを創造できると思ったのよ。」

自由な発想で、キャラクターを引き立てることに尽力したパトリシア。常に新しいアイディアを披露している彼女だけに、今回は何か新しい試みがあったのだろうか。

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