Swedish eco-ism

世界中でエコ志向が必然的トレンドとなっている今、エコ先進国のスウェーデンでは、環境にやさしい素材、ローカル生産による温暖化ガスの削減、生産者の労働条件等、エティックな部分に重きを置くデザイナーたちがこれまでになくクローズアップされている。

その主役の一人が、カミラ・ノーバックだろう。フェミニンさの中にクールな知性が漂う北欧女性らしいデザインに定評があったが、昨今はオーガニック素材と伝統的手法を取り入れた“エコ・ラグシュアリー”な服作りに力を注いでいる。

「今の服地業界って、無駄が多いんですよ」と言う彼女は、素材のリサイクル・コンセプトをも計画中だ。モードの分野で可能な限りエコロジーを追求する“エコ・ラグシュアリー”がどう進化していくか、今後も目が離せない。

スウェーデンのエコファッションを語る上で忘れてはいけないのが、ヨハンナ・ホフリングだ。彼女自身、ストックホルムの市内から少し離れた通称“エコヴィレッジ”の郊外でご主人と3歳の娘と共に、水道を使わない、無駄なゴミを出さない、ECOな暮らしを実践している。

2004年、ストックホルム市内に自身の作品を含むオーガニック素材の商品のみを集めたセレクトショップ「Ekovaruhuset」をオープンし、昨年はNYにも出店。エコファッションブームの火付け役となり、2008S/SのNYコレクションではヨハンナを含む13人のアーティストと共にグループショーを行った。ヨハンナによると、「意識して物を選ぶことによって環境を変えることができると考える人がここ数年で大幅に増えた」という。その勢いを加速させたのが、昨年2月に開かれた10人の若手デザイナーによるエコファッションの作品展「FAIRMADE」。

マドンナが履いた靴で一躍脚光を浴びた「Les Couleurs Nationales」のマクスイェニー・フォシュルンドや、「Burfitt」のロヴィーサ・バーフィットなど、スウェーデン女性に人気のデザイナーたちが参加し、エコロジストのみならず、一般のファッショニストたちの関心をも集めた。ヨハンナ・ホフリングの後に続き、人間の未来と地球環境を悠久のものと考え、やわらかな素材使いとデザインを得意とするアニヤ・ヒーニネンやベニータ・ベン・ジャーマなどの“純”エコ派デザイナーたちもこれからが楽しみな存在だ。

さらに、高品質でありながら廉価なデニムパンツで話題のCheap Mondayや、2008年に東京・原宿への出店を予定しているH&Mなどの大手メーカーも、盛んに議論されている生産国に対する労働条件など倫理的問題のクリアに向けて動き出している。こういった傾向はスウェーデンのアパレル業界全体に見られるようになってきただけでなく、消費者の意識も大きく変えつつある。エコファッションはトレンドの一つとしてだけでなく、社会そのものを変えるムーブメントとして、今後も大きな盛り上がりを見せていくことだろう。

私たちは生活の一瞬一瞬で常に選択をしている。その積み重ねが未来の地球をつくる。シンプルで当たり前のことだが、大切なのは想像力。スウェーデンでは、その想像力が一歩先に進んでいるようだ。
Report by Noriko Honma(Legends of Skandinavia)・ Yayoe Nakano From Sweden

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