5歳若返る足元のおしゃれ

ストッキングだけではない。三つ折りソックス、レッグウォーマー、ルーズソックスなど、日本でも時代を反映した大ブームが、足元から幾つも誕生した。それでもまだ、存分に足元のおしゃれを楽しんでいる人があまり多くないのではと鴇田さんは語る。

「服について言えば、今後、それほど新しいシルエットは登場してこないと思うんです。そうなると、小物で変化をつけるのがお洒落のコツになる。レッグウエアに合わせて靴やボトムスを選ぶというような、足元から始まるおしゃれをもっと楽しんでほしいですね。私が独立して会社を設立した際も、目指したのは、レッグウエアをきっかけに全てを着替え直す…そんなことをしてもらえる商品づくりだったんですよ」

バーバリー

鴇田さんによると、足元が華やぐだけで、5歳は若返るのだとか。そうと聞けば、もっと足元を魅せるためのポイントを知りたくなる。「まず、ボトムスとのバランスを考える。ボトムスの丈が短くなれば、レッグウェアを長く、ボトムスの丈が長くなれば、レッグウェアは短く。見せる肌を少なくすることですね。チラリと見えるのがいい。最近、ちょっと指を覗かせるパンプスが流行ですが、今年ならトーレス(指先のない)靴下を履いたり、ストラップのついたフットカバーを履いて流行のグラディエーターシューズのようなテイストにしてみたり。パンプスとクルーソックスの組み合わせもいいですね。それから、靴下は遠いところと色合わせをするのおすすめです。コサージュ、カチューシャ、ペンダント、スカーフなどです。男性ならネクタイやジャケットと合わせる。足を組んだときにパンツの裾からチラッと同系の色がのぞくのがいいんですよ」

近年、驚くほど、色や柄、装飾や素材のバリエーションが豊かになっているだけに、服や靴との組み合わせ次第で、ワンランク上のスタイルが実現しそうだ。

(写真左)バーバリー プローサム2008SSコレクションより。パンプスにクルーソックスの組み合わせ

そんな鴇田氏が仕掛けた次なる流行とは。「今年は夏にかけて大人気なのが、指先の部分が分かれていてサンダルでもヌーディながら美しい足見せ効果が実現できる指先セパレートストッキング。通称“指セパ”。指の部分にラインストーンや刺繍など、ワンポイントが施してあるものがあるんです」

これなら、ストッキングをはいたままオープントウのシューズを履いても恥ずかしくない。そしてこの指セパには、滑り止め加工のほか、さらに嬉しい工夫が。「脚線の両サイドには、まるでメーキャップの際にノーズやチークに影を入れたような、グレーのシャドーが施してあるんです。光と影の視覚効果が生まれ、よりシャープでスリムなレッグラインになるんですよ」。“女性の脚を美しく”。鴇田さんのそんな尽きせぬ願いが、今日も女性に嬉しい流行を生んでいる。

トウリングやペディキュアに凝るのが当たり前になっている今、足への視線は年々高まっている。今年の春夏こそ、人類が育んできたレッグウェアの長く深い歴史に敬意を表し、足元のおしゃれを今一度見直してみてはいかがだろうか。

(interview, text / june makiguchi)

鴇田章 氏

鴇田章 氏/Akira Tokita
東京下町生まれ。大学卒業後、厚木ナイロン(現アツギ)に入社。後に独立して、レッグウェアの企画・販売を行う「ブロンドール」を設立し、現在はフリーのプランニングディレクターとして活躍している。

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