1971年8月2日、東京都生まれ。落語界初の人間国宝である故・五代目柳家小さんを祖父に持ち、9歳でデビュー。中学卒業後、正式に入門。戦後最年少・22歳で真打ちに昇進する。『花緑ごのみ』をはじめとする独演会を全国で展開、都内での定例落語会を持つ人気噺家。俳優として舞台や映画にも出演、テレビ・ラジオでのナビゲーターやナレーター、執筆活動などさまざまなフィールドで才能を発揮している。最近では、朝の情報番組『とくダネ!』(CX系)の「新・温故知人」のコーナーで全国にその存在を知らしめている。落語界のホープとしてはもちろん、今後のマルチな活躍を期待されている。
師匠は落語以外に、さまざまな分野でご活躍。これらは、落語の芸を磨くための活動なのでしょうか?
そうは思っていません。純粋に好きなんです。落語にしても、芝居にしても、人前でパフォーマンスをするということは、そこに“魂”が宿っていないとできません。僕は、目の前のことしかできないし、目の前のことにベストを尽くしたいので、落語以外の活動をしているときは落語家であることを100%忘れています。
ものごとへの切替力が優れているのでしょうね。
そうですね。いろいろな活動をすることで非難されることもあるかもしれませんが、「人はそれぞれ違うもので、違うからこそ個性である」ということを伝えられたらいいですね。これはどんな仕事にもあてはまると思いますが、真剣にやっていれば、必ず評価されるはずです。
活動の原動力とは何ですか?
生きること自体かな。エネルギーを消費するけれど、得るものも多いですよ。何より、僕は仕事を遊びと捉えています。そもそも落語家というのは趣味人ですから。努力で落語はしていません。好きだから、より楽しくなる方向で仕事をしています。誰かのために仕事をしているわけではないですからね。自己実現とお客さまが楽しいと思ってくれる空間を作るためだけにやっているので、これ以上の贅沢な“遊び”はないですよ。まだまだ、やりたいことばかりです。よいモノやコトは、みんなで共有する時代が来たと思っていて、落語家だから落語や話術を媒介にしていきますが、社会に奇跡を起こしたいですね。でも、こうやっていろいろ活動できるのも「落語」というホームがあってこそなんでしょうね。
イメージ以上に知的で紳士、行動力にみなぎった花緑師匠。耳あたりのよい語り口と革新的な考え方にどんどん引き込まれたひとときだった。これからの落語界を背負う人物と評されるのも至極当然のこと。チケットが入手しにくいことで有名な高座だが、ぜひ1度は聴いてほしいもの。落語が難しいなんてイメージを払拭してくれるはずだから。
(text:miho sasaki、photo:ikuko hirose)
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