vol.3 art アーティスト 高橋理子と“江戸しぐさ”

1977年生まれ。東京藝術大学で染織を学び、同大学大学院修士課程修了後、アパレル企業にてデザイナーとして勤務。その後、同大学大学院博士過程に再入学。2005年フランス外務省AFAAの招きにより、PARIS CITE INTERNATIONALE DES ARTSで活動。パリでの個展開催等を経て、2006年に自身のブランド「HIROCOLEDGE(ヒロコレッジ)」を設立。2007年には、ミス・ユニバース日本代表の森理世氏のナショナルコスチュームを担当。2008年3月、活動は、工芸、ファッション、アートなど、あらゆるジャンルの垣根を越え、日本の伝統に進化を加えた作品を生み出している。

今、ここから始まる伝統

一般的に、伝統的なもの=古いもの、というイメージが浮かびがちだが、現在、伝統と呼ばれるものもそれが誰かの手によって世に出たときは新しいものだったはず。「伝統とは、常に完成された姿を見せながらも、発展し変化し続けるもの。私がいまやっていることも、いずれは伝統になるといいなと思います」と語る理子さん。

「着物の進化は、洋服の普及によってストップしましたが、もし着物が今でも日常着として着られていたら、少しずつ進化して形が変わっていたはずです。残すべき部分を選択し、時代に合わせて変えるべきところを変化させることは、私のコンセプトである『今、ここから始まる伝統』を実現するには不可欠です」

粋に通じる創作精神

最低限の要素で構成された理子さんの着物柄。“粋”(いき)には適度な痩せ我慢が必要と言われるが、彼女にはその感覚からくるストイックな創作精神が自然に備わっているようだ。

「私は作品として主に着物を製作しています。現時点においては、着物には決まった形があり、それがひとつの制限となっていますが、その制限があるからこそ自己の表現を深く追求できるのだと思います」今年の冬には、NYでの展覧会が予定されている。海外における着物の捉えられ方は日本においてのそれとは異なり、見せ方にも工夫を要するだろう。「『着物っておもしろいね』だけでは終わらせたくない、もう一歩踏み込んで伝えたいと考えています」

着物を媒介に、その意気は海をも越えて広く伝わっていくことだろう。

ELTTOB TEPでの展示の様子

(写真左)ELTTOB TEPでの展示の様子
柄は正円と直線、色は地の白に黒だけ、といった限られた要素でどこまでオリジナリティを出せるかと挑戦した作品。現代的な空間にはシンプルな柄が馴染む。和服ではフォーマルなイメージの黒も洋服に置き換えれば現代では着やすい色のひとつ。先日行われた「ELTTOB TEP ISSEY MIYAKE」(大阪)での展示も好評を博した。

■7月21日(月)までの期間限定スペシャルストア@東京ミッドタウンガレリアB1F アトリウム前(11:00~21:00)にて上記アイテムを販売中!
■HIROCOLEDGE オフィシャルWebサイト

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