
カラダだけでなく、心の滞りもすっきり流し、整えるという不思議なタイ古式マッサージ。タイ語では、ヌアボーラン(ヌアットボラーン)と呼ばれる。
「タイ古式マッサージは、“ダブルヨガ”“東洋の伝統療法の集大成”“ヒーリングアート”などと呼ばれているんですよ」と隠れ家サロン「OM NAMO」代表の石田ミユキさん。本国でこのマッサージを学び、タイ政府文部省認定校ITM渋谷校の代表を務める、日本における第一人者的存在だ。
「タイでは、体の中が滞ると病気になり、流れると健康になると考えられています。ちょっと調子が悪くなると、病院に行く前に古式マッサージに行く人が多いですね。もともとは、2500年ほど前にインドから仏教、医学と共に伝わったもの。根底には仏教思想が流れています。幸せに生きていくための先人の知恵で、手で触ることで、あなたは緊張していますよというのを相手に伝え、気づいてもらう。力を抜けといわれても、なかなか抜けないものですよね。ですから、その手助けをするんです。
施術は、指圧する、もむ、圧をかける、ストレッチをするなど様々な手法と、体全体を使って行います。そのひとつの形として、良く知られているアクロバティックなポーズがあります。でも、それはあくまでも固まりをゆるめ、正常な状態に戻すためのひとつのテクニック。伸びていないところにちょうど良い伸びの感覚、稼動域を伝え、心と体の呼吸を整え、意識してもらうために必要な動きなんです。決して無理はしませんし。体を鍛えるのが目的のエクササイズではなく、ムーブメント。上手く体中を使うので、される側だけでなく、する側の健康にもいいんです。やってあげるのではなく、お互い様の精神が基本となっています。タイ古式マッサージは、合掌し、相手の健康を祈ることからスタート。この方がハッピーになりますようにと合掌。体に触れさせていただき、時間を共有できることに感謝しますと心の中でつぶやいているんです」

石田さんが主宰するサロン名「OM NAMO(オナモ)」とは、施術の最初に健康を祈って唱える言葉。究極のホスピタリティーの表れだ。
「どんな心と体の状態の方にも、温かい心と温かい手で、癒しの空間が共有できる。緊張が緩み、体が開かれると、自然に心も開かれていきます。滞っていたものが解消されれば、本来の自分の良い部分が引き出されるんです。コミュニケーションはとかく難しいものですが、体と心がオープンになれば、ボディコミュニケーションによってハートフルなお付き合いができるもの。一人でやればヨガ、二人でやればヌアボーランと言っているのは、タイ古式マッサージのすべての動きは、一人でもできるようになっているから。でも、二人でやるからこそ意味がある部分も大きいんですよ」
ゆっくりと優しい口調で、タイ古式マッサージの魅力を語ってくださった石田ミユキさん。話しているだけで、都会の喧騒を忘れて、不思議と心が休まってくる。さすがは、疲れた現代人の救世主。疲れが溜まって体調ばかりか、心の調子も崩れ気味。そんな人は、助けを求めてみては。


セルフケアコーデイネーター。タイ古式マッサージ&タイ式ヨガサロン「OM NAMO(オナモ)」代表。企業や地域の女性に向け、「靴と足とココロ」を融合したタイ式セラピーの普及活動を行う。医療施設にて疼痛緩和の施術にも取り組んでいる。「ITM渋谷ヌアボーランスクール」を主宰し、幅広いフィールドで活躍できる人材育成に力を注いでいる。来春、タイ式セラピーの本を出版予定(BAB出版)。タイ式ヨガを通し、しなやかな日本女性として抜擢され、2006年資生堂TSUBAKI(つばき)CM~ヨガ偏~に出演。
石田ミユキ先生直伝の、自宅でできるリラクゼーション方法をご紹介。足と頭を少しほぐすだけで、違いを感じられるはず。体を触って凝りや緊張を確認することが、真のリラックスへの第一歩。毎日行って、溜めない体に。

1.まずは合掌から。ゆっくりと心を落ち着ける。その際、呼吸は深くゆったりと。リラックスし、手が温かくなってきたら、体をゆっくり動かし始める。
2.足を反対脚の腿に乗せ、足首、足指を回すようにほぐす。
3.腕を使って腿をマッサージ。ローリングするように使う。
4.鼠径部の外側、腰骨の際の下あたりをひじのあたりで押す。ここは滞りやすい場所なので始めはちょっと痛い。毎日ほぐして、溜まらない体に。
5.片足が終わったら、両足を前に出し、揺らしてみて感覚の違いを感じる。そして、反対側の足も同様にほぐしていく。
6合掌で終了

1.合掌して心を落ち着ける。使うのは、人指し指、中指、薬指の3本。息を吸ってから、指のはらで上まぶたのくぼみに軽く圧をかける。圧をかける際に、息を溜める。
2.息をはきながらゆっくり指を生え際までスライドさせる。気持ちいい程度に圧をかける。
3.指を頭のてっぺんへスライド。息を吸い、溜めて圧をかけたら、そのまま首と頭の付け根(ぼんのくぼ)までスライド。息を吸いながら、ひじと腕を開く。
息を溜めて、体重をのせるような感覚で指に圧をかける。
4.そのまま、息をはきながら指を鎖骨へ。鎖骨を押したら、合掌して終了。顎、首、肩のラインは筋肉が繋がっているので、その筋肉に沿ってマッサージすると、リンパ、血の流れが良くなる。
OM NAMO(オナモ)
東京都目黒区東山(隠れ家)
タイ古式マッサージ(完全予約制)
ヌアボラーン・スタンダードコース120分(施術90分)~ ¥9,450~
Tel:03-6231-0405 E-mail:info@om-namo.jp


タイ古式マッサージには興味があるけれど、私は体が柔らかくないから痛くないかちょっと心配……。そんな人のために、veritaが体験取材。場所は、麻布十番のリラクゼーションスパ「feel」。アジアンテイストの落ち着いた空間で、本格的なタイ古式マッサージ=ヌアボーランが受けられる。
体験したのは、ハーバルボール付きの120分コース(¥12,600)。問診の際、センと呼ばれる身体のエネルギーライン(生命エネルギーの通り道)に沿って行われるのだと教えてもらう。人間の体には約72,000センがあり、タイ古式では最も重要な10のセンを刺激し、身体のバランスを整え、自然治癒力を回復させるという。アクロバティックなポーズや施術中の痛みについて質問すると、「高い技術を持ったスタッフが、身体の状態を確かめながら、いた気持ちいい程度の刺激を与えてきますので心配ありませんよ」との答えで安心する。
個室へ移動し、着替えたら早速スタート。身体の中で最も血行が悪いという足から念入りにほぐす。これだけで全身がポカポカに。鼠径部を手のひらで数十秒圧迫し、離すという技で、滞っている大腿部の血流、リンパの流れを勢いよく一気に流す。温かな血のぬくもりが感じられて気持ちよい。圧をかけたり、ほぐしたりしながら足全体を柔らかくしたら、次は腕と上半身。ハーバルボール(タイに八百年以上にわたって伝承されてきたもの)で体の内外を温めたり、全身をストレッチしたり。ときには、アクロバティックなポーズをとるけれど、力を抜いて身を任せていると、いつもは使わない筋が伸びているのを実感。
自分は動かずに、血流、リンパ、筋肉に作用する全身運動ができるのだから、ジムに行くより気持ちいいかも。顔や頭も丁寧にほぐされる頃には、心も体も軽くなる。着ていた鎧が脱がされたよう。終了後の脱力感に驚く。どれほど自分に凝りと緊張を溜め込んでいたことか! 着替えの後は、スイーツとお茶をいただきながら、「今日は、水分を採ることを心がけてくださいね」とデトックス指南を受け、帰宅。確かに、体が軽い。その感覚は数日続いた。
feel(フィール)
東京都港区麻布十番3-7-11 2F
ご予約・お問合せ Tel:03-3455-5775
月~木曜日 13:00~23:00 金・土曜日 12:00~24:00
日祝日 12:00~22:00
定休日:第一・第三火曜日


2010.06.16
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2010.05.12
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