

健康と美容の両面から、今、熱い注目を集めている“筋肉”。筋肉は運動機能をつかさどるだけでなく、生体機能全体を適切かつ健全に維持するためにも、そしていつまでも若々しくあるためにも非常に重要な役割を果たしていることが、研究と臨床によって立証されている。そこで特集の第一弾では、意外と知られていない筋肉の役割について知ることを通し、健やかに美しく過ごす時間をできるだけ長く維持する方法、つまり本当の意味でのアンチエイジングについて考えていくことに。
登場していただくのは、筋肉の深い部分にまで働きかける独自のアンチエイジング施術“リニューイングセラピー”で話題のセラピスト・中辻正先生、世界最先端のアンチエイジング研究に精通するハーバード大学医学部教授・根来秀行医学博士。お二人に、筋肉が持つ驚くべき能力についてお話を伺った。


徒手療法研究会代表。30年以上に渡り、筋治療のプロフェッショナルとして各地で筋治療セミナーを開講。青山のサロン「リニューイングセラピー」での独自のアンチエイジング施術が評判に。現在、30代から50代まで幅広い世代の女性が通院し、その効果が話題となっている。著書に『顔層筋メソッド』(レタスクラブMOOK) 。
1967年生まれ。東京大学医学部大学院卒業後、同大学医学部講師を経て、現在ハーバード大学医学部教授、ブリュッセル自由大学医学部内科教授、ミラノ大学医学部教授、東京医科歯科大学医学部教授を兼務。米国抗加齢医学会日本学術顧問、日本抗加齢医学会評議員。日本内科学会専門医。東京海上顧問。最先端のアンチエイジング研究精通。欧米の大学と共同研究を進め、国際的に最先端の臨床・研究・教育医学分野で活躍中。著書に『身体革命』(角川SSコミュニケーションズ)など。

verita:中辻先生が提唱するリニューイングセラピーは、まさに今話題の筋肉に着目したセラピーですね。まずは、その特徴から教えていただけますか。
中辻:筋肉をマッサージするという意味では、今まで一般的になされてきたマッサージとはあまり変わらないと思うんです。何が違うかというと、誰にでも同じような刺激を与えるわけではないというところでしょう。例えば、目の大きさが左右で違う、ほうれい線が深いなど、人によって気になる点はさまざま。昔から、そういう個々の違いを無視して、誰に対しても同じ方法をとるのはおかしいと感じていました。何かもっと、一人一人に適した方法はないのかと考えていたんです。そこで思いついたのが、リニューイングセラピーです。これが好評なので、一人一人の体を触ったときに、どうアプローチしているのか本にしてみたらいいのではと思い、『顔層筋メソッド』という本を根来先生と一緒に書かせていただいたんです。
根来:筋肉を刺激するということは、医師の立場から見ても理にかなっているんです。中辻先生はリニューイングセラピーが今までの方法とあまり変わらないとおっしゃいましたが、いろいろ拝見していて、これまでのマッサージとは決定的に違うと感じる部分があります。これまでの方法は、筋肉が走っている方向に沿って行いますから、負荷がかからず筋肉を十分刺激することにはなりません。それに対し、顔層筋メソッドは、筋肉に対し垂直に負荷をかけて、こり固まった筋肉を刺激してほぐし、若く強いものへと鍛えていく。
実際に私も体験してみましたが、深い部分にまで、痛みがでるほど刺激されましたから、筋肉にテンションが十分かかっているのがよくわかりました。今までの手法では、筋肉を優しくなぞっているだけですから、血流やリンパ流が改善されるだけでした。それがこのメソッドなら、筋肉をしっかり刺激するので、実際に筋肉を使うことになります。筋肉は実際に使ってテンションをかけることで初めて増幅作用が生まれるもの。ですから、顔の場合も本来は表情筋を使ってはじめて増幅が行われるんですが、リニューイングセラピーの場合は、マッサージすることでテンションをかけ、運動と同じ作用をもたらしてあげて、筋細胞を太くする。そうやって衰えかけている機能を回復させるというようなことが行われているのだと思います。
中辻:体のいろいろなところから老化って進みますよね。血管だったり、肌だったり。筋肉も当然老化します。筋肉の老化とは、筋繊維自体が短くなったり細くなったりすること。その中には、使っていて初めて老化を遅らせられるものがある。ギプスを巻くとその部分が細くなりますが、僕の考えでは、筋肉を使わないと、体が「この筋肉は必要ないんだな」と認識してしまって、萎縮していくんじゃないかなと。現代人って、ずっと椅子に座っていたり、ストレスを抱えていてずっと同じ表情をしていたり、無表情だったりとする。だから使わない筋肉が増えていると思うんです。それがひいては衰えを招き、個別の顔の歪み、姿勢の歪みにも繋がっていくのではないかと思っています。筋肉自体が老化するということは、それ自体の機能が低下しているということですから、運動能力が落ちたり、持久力が落ちたりする。そういうものを、筋肉への直接的な働きかけによって、復活・再生させることができれば、当然老化は遅れるのではないかと考えています。でも、筋肉の老化が遅れれば、ひょっとすると筋肉の周りにある血管の老化も遅れるかもしれない。老化は一部分だけで起きるものではなりませんよね。体のそれぞれの器官は独立して機能しているわけではなく、すべて関わりあっているのですから、一点でも強化すれば、相乗効果、波及効果というのが生まれるのではないかと思うのですが。
30年以上に渡り、筋施術を続けてきた中辻正先生の待望の本。自分自身の筋肉と付き合っていくためのメソッドが詰まった一冊。
『顔層筋メソッド― 一生、たるみ知らず!』(レタスクラブMOOK) 中辻 正 (著), 根来 秀行 (監修)

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