


根来:老化については、確かにいろいろな要素が絡み合っています。重要なことは、筋肉には、毛細血管も張り巡らされているし、リンパの流れもあるということ。そういうものが、筋肉の増減とともに、活性化されたり、衰えたりするのは事実です。たとえば、リンパは心臓のようなポンプ機能を持っていないので、筋肉の動きで流れが促されています。デトックス作用にも、免疫機能にも深く関わっているリンパの流れをつかさどっているのが筋肉なんです。全身の筋肉の7割ほどが下肢にあるので、下肢の筋肉が活発に動けば、リンパを通じて老廃物が排泄されやすくなります。顔をはじめ、全身のよどみやむくみも、それによって解消されるんです。また、毛細血管は筋肉の増加とともに増えますから、代謝も活性化しますね。メラニンなどの代謝も当然良くなりますし、コラーゲンなどお肌に良い栄養も毛細血管を通じて運ばれますから、血液の流れを含め、すべての循環がスムーズになる。つまり、筋肉を鍛えることで、筋肉機能の向上ばかりか、体のメカニズム全体を活性化させることができるので、結果的にアンチエイジング的作用につながっていくと思います。最近は、筋肉の中に入り込んだ研究も積極的に行われていて、筋肉機能向上がアンチエイジングをサポートするということもわかってきています。
中辻:私はもともと骨・関節の治療を専門に行っていましたが、筋肉の方に移行したのは、ある大学の医学部の先生が開いた筋肉についての勉強会に参加したことがきっかけだったんです。25年ほど前のことでしたが、そこで筋肉の生理、病理について学び、筋肉に着目しておけば間違いないなと感じました。実際に、私が長年施術をしてきた方は、10年たっても衰えていませんからね。
根来:体の筋肉強化はトレーニングで補えますが、顔の筋肉をトレーニングするのはなかなか難しいですから、顔層筋メソッドは、顔を的確に鍛えることができるので画期的だと思いますね。筋肉は体の中ではめずらしく、歳を重ねても若返ることのできる器官ですから。筋肉の周りには、サテライト細胞というのがあって、運動などで筋が破壊されることによりそこが刺激されて、筋肉を増強するようなメカニズムが働きます。
verita:優れた再生能力を持つ筋肉なのですから、この能力を生かさない手はないですよね。効果的に機能させるためには、違う症状を持った人に対して、すべて同じ方法では意味がないというわけですね。
中辻:一番怖いのは、たとえばある方法論で、ここは強くと教えられたとき、そのまま鵜呑みにしてしまうと、人によっては悪くない部分を強くこすって傷つけてしまう可能性があるということ。体をさわってみて、必要な部分はしっかりと、悪くない部分はさらりとというのでいいんです。本来、その人の顔に適したことをやることが大事。自分でやるためにはきちんと自分の状態を理解していないとだめなんです。そのことは本にも書きましたから、きちんと理解していただきたいところ。本の中でも、ここを何回こすってくださいというようなことは書いていません。
根来:まさに、ジムで行う筋肉トレーニングと同じですね。人によってメニューが違う。同じことをやっても、問題なくできる人と、筋肉を痛めてしまう人がいますから。特に、顔の筋肉は薄いんですよね。本にもありますが、薄い筋肉が約50種ほどあり、表皮や脂肪の土台となっています。それが加齢とともに衰える上、体を若々しく保つのに不可欠なアンチエイジングホルモンのひとつ、成長ホルモンの分泌量が減ってしまうと、筋肉が使われにくくなり、硬くこわばってしまうんです。それに伴い、ますます機能が衰えて、しわやたるみを作ってしまう。ですから、見た目を若々しく保つためにも、柔軟性のある若い筋肉を顔に増やしてあげることが必要なんです。私自身、顔層筋メソッド、リニューイングセラピーを体験してまず最初の感想は、「痛い」でしたが(笑) ただ、痛いところが効いてくるんですね。


2010.11.10
今こそ感じたいファッションのパワー10

2010.09.07
吉田修一の描いてきたもの、描いてきたこと。そしてその向こう。