働く女性必読! 作家・碧野圭さんインタビュー

「自分にも小説が書けるかもしれないと思った瞬間から筆を走らせていました」
フリーライターを経て出版社に入り、現在、小説家として活躍されている碧野圭さんに『辞めない理由』の出版までのいきさつを伺うと、そんな答えが返ってきた。「編集は好きだったので一生懸命やっていたんですけど、部署移動になり空白の時間が増えて。そのとき、何年も前から心の奥でくすぶっていた“書きたい”という想いが溢れ出し、『辞めない理由』を書きました」。

『辞めない理由』は、ワーキングマザーの現状をリアルに描いた小説。主人公の和美は出版社勤務の副編集長。仕事で挫折を味わい、子供の問題を抱えながらも、働き続けることを選んだ女性のストーリー。碧野さん自身、二人の子供を出産したあとも出版社で仕事を続けていた。辞めなかった理由についてこう語る。「仕事が好きなんですよね。あと、妊娠したころは、まだバブル最盛期だったので、会社は右肩あがり。「出産しても、帰ってくるんでしょ」という雰囲気がありました。夫も「どうせ働くんでしょ」と軽く後押ししてくれて」。

仕事と育児を両立するために※二重保育を利用し、残業で夜遅くなる日はベビーシッターに子供の寝かしつけをお願いするという毎日。編集作業のなかで、一番忙しい校了前は地方に住む母親に上京してもらい、子供の面倒をみてもらっていたと碧野さんはいう。そんな忙しい生活のなかで、自分自身のモチベーションを維持する方法を聞いてみた。

※二重保育・・・幼稚園や保育園で子供の預ける時間の延長や、ベビーシッター、ヘルパーに園への送迎などを依頼すること。

「保育園で知り会った働いているママ友など、同じ立場の友人を増やしました。働いている者同士なので、自分の状況を話すとちゃんと理解してもらえて、それだけでストレス発散になりました。もうひとつは、自分にご褒美をあげること。今は、家族でほとんど毎年のように、旅行に出かけています。国内だと、宿泊先までFAXが送られてきたり、携帯に連絡が入ったりするので、行き先はいつも海外。「来年はどこに行こうかな」と想像するのが楽しいので、また明日も頑張ろうという気になります」。

しかし、ひとりの働く女性という立場から見た日本のワーキングマザーの現状はまだまだ厳しいものがあるという。

「バブルが崩壊してから“能力主義”や“成果主義”が重視されるようになり、子どもを持つ女性にとっては状況が不利になったと感じています。もともと男性優位の会社では、男性と同じことをやっても同じ評価は得られない。男性の倍以上やって初めて評価されるようなところがあったのですが。だから、女性は「男性以上に頑張らなくちゃ」とどこかで思っていたりしますよね。育児休暇をまともに取らせてくれない会社もあるし・・・。産休=席がなくなるという不安を抱えている女性が多いみたいですから」。

碧野さんは、『辞めない理由』を通して自分と同じようなワーキングマザーに少しでも元気を与えられればと考えている。そしてこれからも“女性と仕事”をテーマに小説を書き続けたいと夢を語ってくれた。最後に、碧野さんから読者へのメッセージ。

「子供がいてもいなくても、働いていてもいなくても、大変なことがあれば楽しいこともあるはず。どれもその人の人生。自分で選んだ生き方だから、楽しまないと。みなさんのことを応援しています」

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