




「とにかくライブ感を伝えたかったんです。当たり前だけれど、素材からきちんと選び丁寧につくることが大切。最もおいしいタイミングで出来たてをお客様に召し上がっていただきたいだけ」。恵比寿にある『Toshi Yoroizuka』のオーナーシェフ鎧塚俊彦氏は、そう熱心に語ってくれた。
日本人初の三ツ星レストラン『ブリュノウ』(ベルギー)でシェフパティシエを務めた鎧塚氏は、1年半前にカウンターたった5席の出来たてのデザートが食べられるお店を作る。
エッフェル塔のごとくそびえ立つのは「ミル・フィーユ・オ・フレーズ」。カスタードクリームを挟んだふっくら厚みのあるパイは、乗せられたアイスクリームやいちごのソースに触れてもサクサクとした歯ざわりがほどよく残る。新鮮ないちご、その日の朝炊き上げたばかりの風味豊かなカスタードクリーム、作り置きしないで1日に何回も焼く香ばしいパイ、それぞれの素材が香り高い状態で食べられる贅沢なミルフィーユだ。
(写真上)カウンターでいただける一皿。ため息が漏れるほど美しいミル・フィーユ・オ・フレーズ。(Mille-Feuille aux Fraises/イチゴのミルフィーユ)1,000円(税込)

「ビスキュイ・クーラント・ショコラ」はできたて熱々のスフレにスッとナイフを入れると、中から“とろ~り”とショコラが溢れ出る。季節のフルーツの酸味がショコラの風味を一層引き立てる。冷たいフランボワーズのシャーベットと一緒に口に入れると“あったか冷たい”両方の感覚が楽しめる。鎧塚氏の自信作のひとつだ。
(写真左)濃厚なショコラが冷たいシャーベットと酸味のあるフルーツによく絡み合うビスキュイ・クーラント・ショコラ(BISCUIT COULANTE CHOCOLAT)1,000円(税込)
テイクアウトもできる一番人気「シュー・ア・ラ・クレム」は、サクサクと香ばしいシュー皮の中にはなめらかなカスタードクリームがたっぷり。濃厚なコク味が印象的。そのクリームの芳醇で甘い香りがあまりにもフレッシュなのは、注文を受けてから詰められるからだ。
これほどのこだわりで1個200円とは驚きである。材料も作り方も真面目なら、値段も実直。「特別に安いわけでも高いわけでもない。これが正しい価格なんです。」

(写真左)焼きたての皮が香ばしく並ぶシュー・ア・ラ・クレム。 かぶりつくとカスタードクリームが溢れ出る。¥200(税込)
(写真右)「今でも毎日が勉強。日々変わってゆくんです」と話す鎧塚シェフ。 カウンターではぜひシェフとの会話も楽しみたい。
もちろんテイクアウトのデザートも揃う。ただ注意したいのは“その季節”ではなく“その日”が食べ頃のフルーツを使ったケーキだから次行ったときにはあるかわからない…そんな魅力的な出会いも期待できる。
「今日は時間があるから丁寧にデザートをいただきたい」そんな時間を過ごしたいなら、ぜひ少しの手間と時間をかけて訪れたい。そして、カウンター越しの臨場感溢れるデザートの現場から“本質”を感じてみてほしい。(text / yasue ishiga)
住所:東京都渋谷区恵比寿1-32-6 1Fアルス恵比寿イスト1F
TEL&FAX:03-3443-4390
営業時間:10:00~20:00pm(サロンラストオーダー/19:30)
定休日:火曜









