時に、さまざまな出会い、別れの舞台となる空港。そこは多くの人々にとってドラマティックな場になり得るところ。旅人にとっては、飛行機で海外に出かけた際、その国で最初に降り立つ場所にもなるし、最後に離れる場所にもなる。旅行地の第一印象を決定付ける場所になるかもしれないし、最後の思い出を締めくくってくれるかもしれない。だからこそ、空港には特別な雰囲気を持っていてほしい。
ウィーン空港は、そんなドラマティックなシーンに相応しい。さまざまな国の言葉が飛び交うこの場所は、まさにヨーロッパの文化の交差点。ウィーンと65カ国130都市とを結ぶオーストリア航空のハブ空港ならでは。文字通り表玄関といえる所だ。
日本からもオーストリア航空が、直行便で週6日、乗り入れている。日本発の直行便で到着すれば、日本人スタッフ(もしくは日本語のできるスタッフ)が現地で出迎え、乗り継ぎなどの案内を行ってくれる。またウィーン発日本行きには、日本路線専用カウンターが設けられていて日本語で対応してくれるので、個人旅行でも安心感がちがう。
この空港は、ロンドンやパリと違いコンパクトなのも魅力のひとつ。乗り継ぎに要する最低限必要な時間=ミニマム・コネクティング・タイム(MCT)がわずか25分と、ヨーロッパの主要空港で最速のトランジットを提供している。2009年にはターミナルが拡張される予定だが、旅人にとって便利な、足で楽に移動できる“ワンルーフコンセプト”は変わらないまま。スムーズな乗り継ぎはそのままに、クリーン
で快適なスペースがより増えるというわけだ。
快適といえば、空港から街の中心部までの移動も同様。地下からはウィーン・ミッテ駅までをわずか16分で繋ぐ、早くて便利なCAT(City Airport Train)が運行されている。帰国時には、そのミッテ駅にあるシティエアターミナルにてオーストリア航空のチェックインが可能。ここでスーツケースのチェックインもできるので、身軽になって空港まで移動できるのが嬉しい。時間によってはその後で、最後の観光やショッピングを楽しんだり、お気に入りのカフェで過ごしたりと、時間を有効に活用できる。
そして、身軽になったらより楽しめることがもうひとつ。空港内でのショッピングだ。ウィーン国際空港には、オーストリアを代表するブランドが顔を揃える。
クリスタル・ブランドの老舗「スワロフスキー」、スウィーツで知られる「デメル」や「アルトマン&キューネ」等の商品が顔を揃えるチョコレート・カンパニー、高級ワイングラスで知られる「リーデル」。そのほかにも、免税店、ドラッグストアやスーパーマーケットまで、50を超えるショップが一ヵ所に集まっている。かさばる物や壊れ物などは特に、帰国日に空港で買えば楽で安心。買い忘れたお土産や、自分のためのもう一品。ちょっと早めに空港に行っておきたくなってしまう。
買い物に疲れたら、空港内のレストラン「エア・クイック」でウィーン風コーヒーを味わったり、オーストリアワインが揃った「ワイン&モア」で買い物がてらテイスティングをするのもいい。もちろん、ビジネスクラス利用者には、オーストリア航空のビジネスクラスラウンジもある。ラウンジ内には、コーヒーやジュースだけでなく、ビールやオーストリアワインも用意されていて、サラダ、スープ、スナックなどの軽食とともに楽しめる。PCが使えるスペースもあるので、搭乗までのひとときを、スタイリッシュな空間で思いのままに過すことができる。
コンパクトに魅力、見どころ、機能が詰まったウィーン空港。ここはまさに、ウィーンの魅力を象徴しているといえるのかもしれない。ここなら、ウィーンを拠点とするヨーロッパの旅を印象的に彩ってくれそうだ。
( text / june makiguchi photo / pawel jaszczuk)