
パリ市内から、郊外線RERに乗車して一時間で、古城のあるゴルフ場に行かれるのは夢ではない。ロワッシー国際空港からも80分ほどの距離にあるDomaine de Belesbat(ドメーヌ・ドゥ・ベレバ)は、パリ南部エッソンヌ県が誇る唯一の4ツ星ホテルである。

15世紀後期に建立された城は、数世紀に及ぶ歴史の中で、社交界にその場を提供してきた。1725年と正確に記録されているが、愛人多きMadame de Prie(マダム・ドゥ・プリ;18世紀初頭のオーナーの姪にあたり、後にブルボン・ドゥ・コンデの本妻になる)は、作家Voltaire(ヴォルテール)との密会のために、ここに宿泊したといわれる。現在でも、来訪者に語られているエピソードの一つである。そうした謂れもあり、15室を所有する別棟Espace Clubのラウンジには、“le Voltaire”という名称がついている。“La Commanderie”と“Le logis de Roy”の2棟には、45室がある。快眠を約束するのは、敷地を囲む広大で豊かな緑。目覚めには、四季折々、木々や植物の成長を楽しみながら、散歩をするのもいいだろう。
フランスの名ゴルフコースのトップ25にランクインされている、18ホールのコースで、ぜひプレーしたい。ホールからホールに向かう足取りも、途中、森の動物たちの登場に、思わず緩んでしまうかもしれない。

宿泊される方は、県内に点在するお城や町を訪れてみるのも名案。たまには“時が止まったかのような”静寂さの中で、日々の喧騒から離れてみたい。パリの近くに、こうした場所が残されていることは、最高の賜りものである。
そして、ヴォルテールが残した名言『我々の庭園は耕さなくてはならない』を教訓に、文化を継承するためのイベント、「Pouvoir de la culture(文化の力)」も定期的に開催するベレバ。時代のニーズに応えながらも、伝統を守り、来訪者を最高のホスピタリティで迎えてくれるのだ。
(Report by Kaoru URATA)

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