
世界一の映画都市、ハリウッドを擁するロサンゼルスは、世界屈指のクリエイティブな街でもある。さまざまな文化が溶け合って、豊かな文化を形成するこの地では、個性を尊重し、違いを受け入れる土壌があり、それがアートに奥深さをもたらしている。ユニークなアート、建築が集まるこの街で、エキサイティングな空気を存分に満喫したい。

アメリカのアートの中心といえば、ニューヨークを思い浮かべる人も多いかもしれない。だが、実はハリウッドを擁するロサンゼルスも、世界一クリエイティブな街らしく、人々はアートをこよなく愛している。
芸術の中心地となっているのはウエストサイド。街随一の高級住宅街を抱える洗練された地域として知られるが、この地域だけでも、300もの美術館、博物館が集まっていて、世界中からアート好きがやって来る。特にロサンゼルスを東西に走る賑やかな通り、ウィルシャー・ブルバード沿いには、魅力的なミュージアムが立ち並んでいて、“ミラクル・マイル”と呼ばれているほどだ。
この“ミラクル・マイル”のなかでも注目されているのは、西海岸最大規模を誇るロサンゼルス郡立美術館。6つの館から成り立っていて、紀元前の美術品から、現代の抽象画まで、幅広い所蔵品で知られる。ピカソ、マティス、カンディンスキー、クレーなどの現代アートも充実。また、ここにある日本館は、建物そのものが和風になっていてユニーク。仏教美術や広重、北斎など日本アートにも出会うことができる。
ダウンタンのグランド・アヴェニューにあるのは、アメリカ有数にしてロサンゼルス唯一の現代美術の殿堂、1979年に竣工されたロサンゼルス現代美術館だ。ここには、1940年以降の作品が収蔵されており、リキテンシュタイン、バスキアなどの作品を見ることができる。この美術館の設計は日本の建築家・磯崎新。建物自体も市が誇るアートのひとつとなっているのだ。近くには、フランク・ゲーリーによる有名建築、ウォルト・ディズニー・コンサートホールもあるので、建築愛好家には見逃せないエリアともなっている。

この他、気候の温暖な地域だけあって、ロサンゼルスには屋外で快適に過せるように設計された美術館も多い。ブレントウッドの丘に建つゲティ・センターは、ゴッホの「アイリス」、ルノワールの「散歩」、セザンヌの「りんごのある静物」といった自慢のコレクション以外にも見所がたっぷり。丘からの美しい眺め、ピクニックをしたくなるような庭園、屋外にたたずむ彫刻など、ゆっくりと時間をかけて楽しみたくなる要素が一杯だ。
このように、一日かけても回りきれないほど魅力的なミュージアムが集まっているロサンゼルス。旅行の際には美術館巡りの時間をたっぷりとっておくことをお勧めしたい。
(text / june makiguchi)

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