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抜いたコルクの匂いを楽しむ。グラスを少し傾け、色を楽しむ。グラスを回して香りを楽しむ。口に含んで舌の感触を楽しむ。鼻に抜けるワインの香りと後味を楽しむ。1杯の飲み物でここまで楽しめるワインという生き物にはいつも感心させられる。
この1ヶ月、『モンドウ゛ィーノ』というフランスのドキュメンタリー映画の企画で様々なワインを飲ませていただいた。ワインの裏側で起きている様々な人間模様が描かれている。こうして、僕はワインの知識を脳に叩き込むのであった。と言いたいところだが、アルコール漬けのイシコの頭には、ほとんど入っていない。それよりも今回の企画で場所と雰囲気でワインを選ぶ楽しみを覚えた。 |
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きっかけは先月、小浜島に行ったときのこと。島の夜は闇が深い。都市のネオンのような光害もなく、空は星一面の世界が広がっている。そんな中で、ゆっくりワインを楽しむ。登場したのが高級チリワイン「アルタイル」だった。ギリシア神話に登場する葡萄からできる魔法の神酒を注ぐ専任者「アルタイル」から来ているという星と神話というシチュエーションにぴったりのワインである。みんなで静かにグラスを傾け、最高の夜を味わったのである。
こうしてシチュエーションフェチのイシコは旅から戻ると日々、場所と雰囲気に合わせたワイン選びを楽しむようになった。ケニア在住のホワイトマンが来日した際は南アフリカのワインを飲みながら、アフリカの動物の話を聞く。ベトナムシルクのシャツを着て友人の家に遊びに行くときは、ダラットワインと好みで入れるライムと供に持って行くのである。
そして先日、岐阜の実家へ焚き火をやる為に帰った。キリシアのクレタ島にあるオリーブ畑の脇で焚き火をしている夢を見て、居ても立ってもいられなくなったのだ。近くのワインショップでクレタ島のワインを選び、ギリシア気分を味わいながら、焚き火を楽しむのであった。ここまで来ると完全に自己満足の世界である。しかし、ワイン選びは料理と合わせるだけではなく、こういった楽しみ方もあってもいいのではなかろうか。
さてさて本日は原宿クエストホールの楽屋である。ホワイトマンが集って、「ホワイトマンが星に帰るまで後2年。思いっきり楽しみましょう!」とアルタイルで乾杯である。あれ?これからトークショーじゃなかったっけ? |
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