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冬を迎え、温かい飲み物を飲みながら、絵本を開く時間が恋しくなる。と言っても僕の絵本歴は決して長くない。絵本の時間を楽しむようになってから、二度目の冬を迎えようとしているところである。
文、絵=山崎杉夫 定価:¥1,575 長崎出版
「今日、電車の中で絵本を読んどったら、みんな変な顔で見よんのよ」
絵本の読み遊びを全国で展開している「ブックドクター」のあきひろさんが、昨年、ホワイトマンのトークイベントで、三重弁バリバリでおっしゃった。確かに大人が絵本を買う姿は見ても電車などで大人が絵本を広げて楽しんでいる光景は、あまりというか少なくとも僕は見かけたことがない。と世の中のことを言うより、絵本が子供の為だと誰が言ったわけでもないのに、絵本=子供の読み物的な固定概念が僕の中にあったことを実感した。
それ以来、時々、絵本を自分の為に購入して開く時間を持つようになった。子供の頃と同じ感性で選ぶ絵本もあれば、今の自分が興味のある分野の絵本を選ぶこともある。例えば、僕が今、行きたい国のインドやアフリカ諸国などの絵本は見るだけで購入してしまう。絵本から漂うインドやアフリカ諸国は、その土地の考え方を知るきっかけになる場合もあれば、絵本の中では世界共通の感覚を感じることもある。
もちろん、日本にも五味太郎氏を始め、世界に知られる優秀な絵本作家は多い。最近のお気に入りはイラストレーター山崎杉夫氏が描いた『黒猫ナイト』。彼の描く、どこか日本という世界観に留まらない太い線のテイストが大好きである。自分の好きな絵のテイストを実感できるのは、大人になってから絵本を選ぶ時の楽しさでもある。
さて、さて、今日も冬の散歩を満喫し、途中で大好きな渋谷の古本カフェ「フライングブックス」に立ち寄り、スズキコージ氏の『やまのディスコ』を購入する。早速、手に入れた絵本を持って家に戻る。ゆったりお風呂に入ってから、ホットウィスキーを片手に絵本を開く。絵本を開いた瞬間、ゆるくて心地いい時間が流れ始める。絵本と自分との間にだけ流れる和ペリティーヴォな時間なのである。

(左から):『ほーら、これでいい!』(アフリカ)―リベリア民話― : 再話/ウォン=ディ・ペイ&マーガレット・H・リッパート 絵/ジュリー・パシュキス 訳/さくまゆみこ 定価:¥1,575(税込) アートン出版
『アフリカの大きな木 バオバブ』(アフリカ) : 文=ミリアム・モス 絵=エイドリアン・ケナウェイ 訳=さくまゆみこ 定価:¥1,575 アートン出版
『ながいながいかみのおひめさま』(インド) : 文=コーミラー・ラーオーテ 絵=ヴァンダナー・ビシュト 訳=木坂涼 定価:¥1,575 アートン出版
『マンゴーとバナナ まめじかカンチルのおはなし』(インド) : 文=ネイサン・クマール・スコット 絵=T.バラジ 訳=なかがわちひろ 定価:¥1,575 アートン出版
イシコ
1968年生まれ。ホワイトマン代表
岐阜県出身。静岡大学理学部数学科を卒業するが先生になりそこね上京。映画、テレビ、演劇、イベント、出版、大道芸と様々な業界を渡り歩き、女性ファッション誌編集長、WEBマガジン編集長を経て、現在は(有)ホワイトマンプロジェクト代表。
ホ ワイトマンとは国内国外問わず、イシコの友達が白塗りをして、ショー、映像、本、 プロダクトなどを5年間限定で産み出して、遊ぶプロジェクト。MONOマガジンにて 「ホワイトマンの物生講座」連載中。
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