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久しぶりに列車旅と路線バスの旅を楽しんできた。旅を中心に生活を始めてから10年以上が経ち、飛行機や新幹線に乗ることも生活の一部になってしまった気がする。もちろん旅は大好きなので、今でもワクワク度は変わらないのだが、仕事絡みも増え、目的地の決まった旅が多くなった。目的地が決まっている分、予測できそうな旅を脳のどこかで描き、予測通りの旅の方が仕事としては楽である。
時には目的のないその日暮らしのぶらり旅というものを味わいたいものである。新幹線や飛行機のぶらり旅もいいのだが、ぶらり旅のスピードとしては少々、早い気がする。窓に流れる風景を見ながら、インスピレーションで降りる場所を決める旅の方がワクワク度は大きい。 それ以来、時々、絵本を自分の為に購入して開く時間を持つようになった。子供の頃と同じ感性で選ぶ絵本もあれば、今の自分が興味のある分野の絵本を選ぶこともある。例えば、僕が今、行きたい国のインドやアフリカ諸国などの絵本は見るだけで購入してしまう。絵本から漂うインドやアフリカ諸国は、その土地の考え方を知るきっかけになる場合もあれば、絵本の中では世界共通の感覚を感じることもある。 文庫本、音楽、デジカメ、ピンホールカメラ、ウィスキー、ノートパソコン、少しの着替えをリュックに詰め込み、とりあえず東海道線を西へと向かって行く。一駅一駅、ゆっくり風景が変わっていくのを感じ、乗り継ぎの駅では缶コーヒーを買ってベンチに座り、反対側のホームの人をボーッと眺めてみる。その場所の空気に自分を馴染ませる時間は何ともいえない心地よさがある。 こうして太陽が出ている間は車窓を味わい、哲学者になった気分で、車窓からの風景を様々な視点で考えてみる。ウィスキーのアルコールと太陽の温かさが染み渡った身体に電車の振動が加わり、うとうとと眠りに堕ちていく。
冬は陽が短い為、車窓に自分の顔が映り始めた頃、今日の宿泊する場所を決める時間のいい目安となる。携帯電話のサイトで調べて、さっと決めてしまうのもよし、ふらりと降り、その場所の観光所で夕食のオススメ場所を聞くのと同時に宿泊場所をリサーチするのもよし、無線LANやエッジでノートパソコンにつなぎ、じっくりホテル選びするのもよしとその日の気分でホテルを選ぶ。
ホテルにチェックインしたら、ゆったりバスタイムを楽しんだ後、バーに一人で出掛けてみる。グラスを傾けながら一日の旅の風景を思い返す。こんな時間をしばらく続けていると、いつしか和ペリティーヴォな脳に変化していくのである。
イシコ 1968年生まれ。ホワイトマン代表 |











