
6月下旬から7月上旬にかけて、ホワイトマンで約2週間かけて車で西日本を旅することになった。
「かわいい車で回りたいなぁ!」
ホワイトマンが乗る車に我が儘を言ってしまった。言ってから少しだけ自己嫌悪に陥ったのだが、やはり、こんな機会はなかなかないのだからと無理矢理、自分を納得させる。

大学時代、人並みに車が好きでアルバイト代をつぎこんでは、様々な中古車を買って乗っていたのだが、卒業後、上京してからは、すっかりその熱も冷めてしまい、今では車に対してこだわりも知識もなく、普段、使用しているホワイトマンカーも、いただいたステーションワゴンを道具として大事に使っている感じである。それがここに来て、また車という文化に興味を持ち始めたのだ。恐らく3月に訪れたキューバの影響が大きいのだと思う。どこか似たようなデザインが多い日本車に慣れてしまったせいもあるのだろうが、ハバナ市内で見かけた古いアメ車や、日本では見かけないサイドカーに感動してしまったのだ。
ご存知の通り、キューバはアメリカと喧嘩している社会主義の国である。しかし、60年代半ばまでは作家ヘミングウェイをはじめとして、キューバ在住のアメリカ人は多かった。もちろん、それに伴いアメリカの文化も流れ込んでいる。アメ車の文化が残り、アメリカ人だけがいなくなった。写真には撮れなかったが、50年代のフォードのサンダーバード、シボレーのベルエア、キャデラックのコンバーチブルなど走っているのを見かけると、昔のハリウッド映画の世界に迷い込んだような楽しい気持ちになる。
きっと燃費は悪く、環境に優しい車かと問われると急に声が小さくなってしまう。だが、全て廃車にして、すべて環境にいい車に買い替えることになったら、廃車にしたゴミのことや新しい車を製造するために使うエネルギーなど、それはそれで地球に与える負荷について考えると抵抗したくなる気持ちもある。何より直しながら、物を大事に使うマインドは、人にも地球にも優しい気がする。
「じゃ、今度の旅は中古のアメ車にしてみる?」
と言われたが丁重にお断りした。約2週間に渡る長距離には少し不安である。言っていることとやっていることがあまりに違うとみんなから責められた。結局、ニュービートルのオープンカーで旅をすることにした。読者の方で、ホワイトマンを見かけたら、是非、声をかけてくださいませ。

イシコ
1968年生まれ。ホワイトマン代表
岐阜県出身。静岡大学理学部数学科卒業後、女性ファッション誌編集長、Webマガジン編集長を経て、現在は(有)ホワイトマンプロジェクト代表。 ホ ワイトマンとは国内国外問わず、イシコの友達が白塗りをして、ショー、映像、本、プロダクトなどを5年間限定で産み出して、遊ぶプロジェクト。散歩の達人の連載コラムなどコラムニストやブロガーとしても注目されている。
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